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「結晶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

結晶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
に次いで単細胞の生物が現われ出た。そして生長と分化とが始まった。その姿は無機物の結晶に起る成長らしい現象とは多くの点に於て相違していた。単細胞生物はやがて複細胞....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
万有に対する見方は古代ローマ人のと同じである。そうして孔子の教えの中にこの特徴が結晶しているのである。 こういう哲学的な霧中のまぼろしはこのくらいに切り上げて....
階段」より 著者:海野十三
にすすんで行ったことだろうと思う。たしかに、それまでの僕という人間は修身教科書の結晶のような男で、そうした栄冠を担う資格は充分あるものと他人からも謂われ、自分と....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
たっぷり含んだ物体がおしつけられたため、水を吸収した部分と物質だけが極くこまかい結晶をつくり、それがためにX線を当ててみると他の部分とはまるで違った表面になって....
河明り」より 著者:岡本かの子
きも直さず、濃く煙らして、炉炭の火を見詰めていた娘の瞳と睫毛とが、黒耀石のように結晶すると、そこからしとりしとり雫が垂れた。客の私が、却って浮寝鳥に枯柳の腰模様....
山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
は天地の聖き眠りを表わしている。純な柔かい感じのする雪の上に杖で字を書くと、雪の結晶が星のように一面に光っている。賽の河原から高倉の裾を廻るころ、東向きの雪がス....
時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
とりあげて、みんなに見せた。中には、黄いろ味をおびた、やや光沢《こうたく》のある結晶している石がはいっていた。 「知らないね。いったい、それは何だ」 「これは、....
流線間諜」より 著者:海野十三
ワと身体を腕の力で引上げた。俄に強い自信が湧いてくるのを感じた。 全てが忍耐の結晶だった。 「ウーン、ウーン」 彼は功を急がなかった。ユルリユルリと鉄の管壁....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
と、紫玉の手には、ずぶずぶと響いて、腐れた瓜を突刺す気味合。 指環は緑紅の結晶したる玉のごとき虹である。眩しかったろう。坊主は開いた目も閉じて、※とした顔....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
麗わしき神の御業は、無残にも脚下に蹂躙せられ、人間が額に汗して築き上げたる平和の結晶は、一朝にして見る影もなく掃滅せられ、夫婦骨肉の聖き羈は断たれ、幾千幾万の家....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
月二十九日にパリを立ち、郊外のフォンテン・ブローを過ぐる際、折りしも森林は一面に結晶した白い氷で被われて、非常な美観の実験をなし、これの起す電気にて水の分解され....
幼き頃の想い出」より 著者:上村松園
ば、尊さもあるわけでございますが、そうした優れた芸術家の歴史に有名な逸話の実際の結晶である絵本類がそのように容易く、今日の古雑誌を購うのと同様に買い取れたかと思....
妖怪学」より 著者:井上円了
、流星のごとき天文に属するもの) 物理的妖怪┤ │地質学的妖怪(化石、結晶石のごとき地質に属するもの) │動物学的妖怪(熱田の鶏の類) ....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
隠れもなかった。が、その頃は※紅倚翠を風流として道徳上の問題としなかった。忠孝の結晶として神に祀られる乃木将軍さえ若い頃には盛んに柳暗花明の巷に馬を繋いだ事があ....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
稚内ゆきの急行列車が倶知安をすぎ、やがて山地へかかって速力がにぶると、急に雪が降りだした。粒が細かくて堅く結晶した雪だということは、車窓にふきつけるサッサッササ……という音でわかった。線....