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結構人
「結構人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
結構人の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
よ。私《わたくし》なんぞの所へ来ても、嫌味一つ云わないんだから、あれがほんとうの
結構人《けっこうじん》だろうね。』と、こうおっしゃるじゃありませんか? そうかと....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
もゆく。それで博奕は打たず、酒は飲まず、こうした稼業には似合わないくらいの堅気な
結構人である。もしも家のお父っさんを怨む人があれば、それは外道の逆恨みか、但しは....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
んよ」 「あなたはそんなことでいまだに気もみをしているのですか。河村さんはあんな
結構人ですもの、心配することはないじゃありませんか」 「あなたのご承知のとおりで....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
繁昌しているし、もう一つの稼ぎもなかなか大きい。だがこの、顔が怖いだけで苦労人、
結構人の文珠屋の主人が、あの評判のぼんのう小僧とは、このふたりのほか、店の使用人....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
きれいなりしが、人をも世をも一包みにする量なければ小さき節につながれて」「小さき
結構人」で終った亡夫を罵っている。 更に目をひかれることは、このようなお近が末....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
からぬ面《かお》でやって来る。 四 来て見れば、これは極めて
結構人《けっこうじん》らしい一個の西洋人で、東造爺に向って何か一言二言いっては、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
しさを活かし切るだけの男らしさが、男にないということを思いつかない男があるのは、
結構人ですね。男というのが彼のスケールで止っている限り、彼等にとって私が女らしく....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
。畢竟この偽君子の多きもその本《もと》を尋ぬれば古人の妄想にて、世の人民をばみな
結構人にして御しやすきものと思い込み、その弊ついに専制抑圧に至り、詰まるところは....
「鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
た。主人夫婦の言葉は、なんでも有難かった。ぎんにとっては主人夫婦はただただ無類の
結構人だった。 旦那様のほうは中風の気味で臥せがちだったが、せっかちの口やかま....
「俗臭」より 著者:織田作之助
多く、流行りそうな気はいが見えたので、一回二十銭を三十銭に値上げしたが、それでも
結構人が来た。前後一週間の間に、五円の資本が山分けして八倍になり、もうこの婆さん....