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結氷
「結氷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
結氷の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「八十八夜」より 著者:太宰治
ていて、やがて南側に、湖が、――むかしの鏡のように白々と冷くひろがり、たったいま
結氷から解けたみたいで、鈍《にぶ》く光って肌寒く、岸のすすきの叢《くさむら》も枯....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
それから、もう一年の月日が流れている。 根室の港には、やがてまた押し迫って来る
結氷期を前にして、漁期末の慌しさが訪れていた。 「どかんと一発撃てば、それでもう....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
た。――博光丸は北緯五十一度五分の所まで、錨をなげてきた第一号川崎船を捜索した。
結氷の砕片が生きもののように、ゆるい波のうねりの間々に、ひょいひょい身体を見せて....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
かされ、われらの根拠地であったクシュンコタンにいたこの堀は、事重大と見て取るや、
結氷をやぶって蝦夷地に渡った。急を本国政府に告げ、その不実を詰《なじ》ろうがため....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
大きな塊がそちこちに転っていた。水は心のままにどこへでも流れ拡がっていた。いや、
結氷が水を幽閉して置かなかったら、きっとそうしていたであろう。苔とはりえにしだと....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
られると思うかね。もし、あしたにも北風が吹こうものなら、われわれは獲物を満載して
結氷前に帰るのだ。が、南風が吹いたら……そうさ、船員はみんな命を賭けなければなら....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
啄ばましてしまったのだろう。 昼食をするついでに、清水技手の気象日誌によって、
結氷の時期を調べてみようと思い、正午ちかく、小屋へ出かけて行った。 狭山は、相....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
スの助手でハロルド・ブライド―― Harold Bride ――この人は、今にも
結氷しそうな冷水に一時間半も漬かった後、運好く助かった。 その日曜日の晩、ブラ....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
て、一生けんめいに木の枝を運んで穴をかくした。 天気は日ましに寒いが、湖や川が
結氷するほどではなかった。幼年組は毎日水辺へいって魚をつった。そのためにモコウの....
「氷湖の公魚」より 著者:佐藤垢石
らえてもおいしい。白菜と合わせてチリ鍋にすれば、思わず晩酌を過ごす。 湖上で、
結氷しない十二月中旬までは小舟に乗って釣るのである。竿は二間半か二間で、胴も穂先....
「国境」より 著者:黒島伝治
ブラゴウエシチェンスクにも、顔見知りが多くなっていた。 黒竜江にはところどころ
結氷を破って、底から上ってくる河水を溜め、荷馬車を引く、咽頭が乾いた馬に水をのま....
「西航日録」より 著者:井上円了
月中旬に入らんとするに、当地の気候なお寒く、夜中は寒暖計零度に下降し、朝来街上に
結氷を見る。昼間も北風ときどき寒を送りきたり、日本の三月上旬ごろの気候なり。木葉....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
て日本領内に亡命した。で、農作は絶え、畜産は滅び、食糧には窮乏して来た。従って、
結氷期にでもなると、幌内川を挙って南下しかねないという。橇を駆ってだ。それで敷香....