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「結納〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

結納の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
た位である。 つまり、紀代子は卒業の、即ち結婚の日が迫って来たのだった。正式の結納品が部屋に飾られたのを見た途端、紀代子はまるであっさりと心が変ってしまった。....
世相」より 著者:織田作之助
ればならぬ破目になっていたところを、世話する人があって天辰へ嫁いだのだった。勿論結納金はかなりの金額で、主人としては芸者を身うけするより、学問のある美しい生娘に....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
来事であったが、それが不運のはじまりで、その後お此と婚礼の約束をしたものは、まだ結納《ゆいのう》の取りかわせも済まないうちに、どれもみな変死を遂げたのである。そ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
り、膝を揺って、 「では、御両親はじめ、御縁女にも、御得心下されましたれば、直ぐ結納と申すような御相談はいかがなものでごわりましょうか。善は急げでごわりまするで....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
勇気もなくて、ただ内々で苦しんでいるうちに、その縁談はすべるように進行し、近々|結納を取りかわすまでに運ばれて来たので、それを知ったお紋は決して承知しなかった。....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
血で、相手の骨を洗った。 その結果、Aという女は、遂に竹花中尉の方へ傾いてゆき結納までとりかわされ、この演習が済むと、直ちに水交社で婚礼が挙げられることにまで....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
申上げとうござりまして。 公子 (立ちたるまま)おお、あの女の父親に遣った、陸で結納とか云うものの事か。 僧都 はあ、いや、御聡明なる若様。若様にはお覚違いでご....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
いたんだそうですがね。 去年の春、お茶の水の試験が済むと、さあ、その翌日にでも結納を取替わせる勢で、男の方から急込んで来たんでしょう。 けれども、こっちぢゃ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
―女は、何をするか私にも分りません――あなたが世の中で一番お嫌いだという青麟に、結納を済ませたんです。」 「…………」 「辻町さん、よく存じております、知ってい....
経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
めでたく纏まった。但しお妻は十九の厄年であるので、輿入れは来年の春として、年内に結納の取交せをすませることになった。近江屋も相当の身代ではあるが、井戸屋とは比較....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
きであるから、源兵衛夫婦は喜んで承知した。お杉にも異存はなかった。 こうして、結納の取交しも済んだ三月なかばの或る日の夕暮れである。春といっても、ここらにはま....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
る豪貴の長者、善覚の妹姫が、姉君|矯曇弥とともに、はじめて見ゆる処より、優陀夷が結納の使者に立つ処、のちに、矯曇弥が嫉妬の処。やがて夫人が、一度、幻に未生のうな....
妖怪学」より 著者:井上円了
これ、音調の連想なり。 婚礼に関しては、かかること最も多しと思わる。すなわち、結納の目録に、昆布を「子生婦」と書し、鯣を「寿留女」と書し、柳樽を「家内喜多留」....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
も非常な圧制のもので、これらの相談中に日本とかあるいは欧米の風俗のように幾許かの結納を納めて、そうして財産はどれだけ持って来るとか、あるいは何箇の荷物を贈るとい....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
か?』 『すてきな女? ほんなら、もらいましょ』 ふたつ返事である。早速五円の結納金を出してふろ敷包み一つと、鏡つきの花嫁をもらったが、どうしたわけか、そりが....