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結跏
「結跏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
結跏の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「門」より 著者:夏目漱石
ゃくそう》は、まだ出家をしない前、ただの俗人としてここへ修業に来た時、七日の間|
結跏《けっか》したぎり少しも動かなかったのである。しまいには足が痛んで腰が立たな....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
七日《いちしちにち》を限って大悟して見せるなどと凄《すさま》じい勢《いきおい》で
結跏《けっか》する連中もある事だから、うちの主人もどうかなったろう、死ぬか生きる....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
鉄鉢を両手で捧げた者、猛虎を足に踏まえた者、香炉に向かって坐っている者、合掌し
結跏し趺坐している者、そうして雲竜に駕している者……千態万状の羅漢の像が、昨日今....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
て身小さく、形相怪異にして、後光も無く偏袒もせず。普通の法衣の如く輪袈裟をかけ、
結跏趺座して弥勒の印を結びたるが、作者の自像かと思わるる節あり。全体の刀法|頗る....
「悟浄出世」より 著者:中島敦
い有様ゆえ、悟浄も眼の慣れるまでは見定めにくかったが、やがて、薄暗い底の台の上に
結跏趺坐《けっかふざ》したまま睡っている僧形《そうぎょう》がぼんやり目前に浮かび....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
たりと。すなわち、指語すらく中に宿るべしと。阿那律すなわち前《すす》みて室に入り
結跏趺坐《けっかふざ》す。坐して未だ久しからずしてまた賈客あり、来たりて宿を求む....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
でも、自ら願うて役に就くのが少なくない。永島永洲君からの見舞の端書に、「永き日を
結跏の人の坐し足らず」という句があったが、我々凡夫、なかなかそんなわけに行かぬ。....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
、奚んぞ知らむ黒壁に消えし蝦蟇法師の、野田山の墓地に顕れて、お通が母の墳墓の前に
結跏趺坐してあらむとは。 その夕もまたそこに詣でし、お通は一目見て蒼くなりぬ。 明治三十五(一九〇二)年一月....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れないほどのめまいを感じましたから、じっと心を締めて、形ばかりの床の間に向って、
結跏《けっか》を組みはじめました。 ここで兵馬は衣裳を改めて、床の間を前に端坐....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
がそれ、禅というのをするだろう、あれだね、あの形で正しくゆるやかに――といっても
結跏《けっか》といって、足をあんなに組むには及ばねえ。そうしてるんだね……」 「....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
《あしゅく》如来、金剛忿怒尊、赤身大力明王、穢迹《えじゃく》忿怒明王、月輪中に、
結跏趺坐《けっかふざ》して、円光魏々、悪神を摧滅す。願わくば、閻※《えんた》羅火....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
腹部へ流れる微妙に柔らかな衣といい、この上体を静寂な調和のうちに安置する大らかな
結跏の形といい、すべての面と線とから滾々としてつきない美の泉を湧き出させているよ....
「『西遊記』の夢」より 著者:中谷宇吉郎
。燉煌《とんこう》出土の降魔図《ごうまず》の中に八戒がいたのである。中央の岩上に
結跏趺坐《けっかふざ》した釈尊《しゃくそん》の周囲に、怪奇な魔衆が群り集っている....