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「絡み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

絡みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
ら雲は剥《はが》れてまくれ立った。灰いろと葡萄《ぶどう》いろの二流れの雲は峯々を絡み、うずめ、解けて棚引く。峯々の雲は日のある空へ棚引いては消え去る。消え去るあ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
なわち、始めには天(ヌイト Nuit)と地(シブ Sibu)とが互いにしっかりと絡み合って原始の水(ヌー Nu)の中に静止していた。創世の日に一つの新しい神シュ....
白蛇の死」より 著者:海野十三
か平気よ」 「じゃ、其処まで送って行こう」 「無論だわよ」 お由はまだ国太郎に絡み纏りながら、裏梯子から表へ出た。が、塀を一つ曲って此処まで来ると、 「あら、....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
に間がない。私は気が気でない。 「いやに逃げるじゃないか」と執念深い刑事は反って絡みついてきた。「ところで一つ尋ねるが、赤ブイ仙太を見懸けなかったか」 「仙太が....
蠅男」より 著者:海野十三
たれながらもツツーッと身を引けば、網はかちりと蠅男の左腕の中に仕込まれた機関銃に絡み付いた。 「生意気なッ――」 と蠅男が気色ばむ所を帆村はすかさず、 「えい....
デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
元に手繰り取られ、蜷局を巻いていたロープが、大騒ぎをしている被害者の体へ、自然と絡み附いたのです。勿論、彼は夢中で格闘を続けます。が、ロープは彼の体の所々、例え....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
りつけたロープで左寄り十度程の処へ固定され、緑色の海草が、舵板の蝶番へ少しばかり絡みついていた。 東屋氏はロープの端の浮嚢を指差しながら下男に訊ねた。 「御主....
食魔」より 著者:岡本かの子
。 起伏表裏がありながら、また最後に認め合うものを持つ二人の交際は、縄のように絡み合い段々その結ぼれを深めた。正常な教養を持つ世間の知識階級に対し、脅威を感ず....
河明り」より 著者:岡本かの子
ざいません。私だけがお相伴さして頂きます」 私はまたしても、河沿いの家の人事に絡み込まれるのを危く感じたが、それよりも、いまの取り止めない状態に於て、過剰にな....
「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
のは寂寞である。 この寂寞は一日々々と長大して大毒蛇のように遂にわたしの霊魂に絡みついた。 そうして自ら取止めのない悲哀を持ちながらムカ腹を立てずにいた。経....
孔乙己」より 著者:井上紅梅
させよう。店先の袢天著は取付き易いが、わけのわからぬことをくどくど喋舌り、漆濃く絡みつく奴が少くない。彼等は人の手許をじろりと見たがる癖がある。老酒を甕の中から....
車中有感」より 著者:上村松園
る。 ふっと、一瞬にして通りすぎた谷間の朽ちた懸け橋に、紅い蔦が緋の紐のように絡みついているのを見て、瞬時に、ある絵の構図を掴んだり、古戦場を通りかかって、そ....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
の取手があったのに加奈子は心をひかれた。模様の蔓と葉が中世紀特有のしつこく武骨な絡みかたをしていて血でもにじみ出そうで色は黒かった。その時は有り合せの硝子皿に取....
雪柳」より 著者:泉鏡花
を取って引上げて見なかったろう。もし枝葉に置く霜の影に透したらんに、細い腕に袖|絡み、乳乱れ、褄流れて、白脛はその二片の布を流に掻絞られていたかも知れない。 ....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
、スルスルと堀割の中に飛び込みます。一度逃げ損なった小蛇を踏んで、それが靴の先に絡みついたため思わず勝田さんに縋りついたことがありました。すると、勝田さんも何か....