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絡む
「絡む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
絡むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
色気のある小夜子を相手に無駄口をききながら、手軽に食事などしていると、葉子事件に
絡む苦難が、いくらか紛らせるのであった。 「いつかも伺ったけれど、小説てそんなに....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、二里の幡ヶ谷に下ろすより四里の神田へ持って行く。
茶の花が咲く。雑木林の楢に
絡む自然薯の蔓の葉が黄になり、藪からさし出る白膠木が眼ざむる様な赤になって、お納....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
しもさだ子に冷淡でなかつたからでございますの。今年になつて例の結婚の話と、それに
絡む財産の問題が起りますまでは、一回だつてそんな様子を見せたことはございません。....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
しろ》すがたを凝視《みつ》める。淫靡《いんび》な視線が、千浪の腰、脚のあたりに、
絡むように吸いついて。 大兵の中之郷東馬、さも感に耐えたように、赭ら顔を一振り....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
もあったが、たぶん四十五、六らしかった。よれよれする筋肉|痙攣と、悪疾のため舌の
絡む語調とが、可哀そうな彼の努力のすべてを裏切って、親愛なリンピイ・リンプを、や....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
!」
と、栄三郎が先方を望んでまっしぐらに馳《は》せかかった刹那! その出足に
絡むように、つと闇黒からわいて現われた黒影!
「一手、所望《しょもう》でござる!....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
れが柳生の若殿か。ヘッ、青臭え、青臭え……」
夜風が、竹のような左膳の痩せ脛に
絡む。
九
「おウ、たいへんだ! 鮪《まぐろ》があがった。手を貸してくんねえ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
であろう。一人の女が立っていないですわっていた、ただそれくらいのことに運命の糸は
絡むものである。
旅の女は少し手加減をして身の上を語った。
女工であったこと....
「海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
改めた訳である。東京へ帰ってから一週間ばかりたつと、あの味を思い出して唾液が舌に
絡むので何とも堪えられない。そこで、築地の河岸へ行って捜してみると、まさに鯨の腰....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
そうだし、橋板の落ちている所もある。桁の上を拾って歩くと、またしても足許に小僧が
絡む。そんなことでどれだけ時間が立ったか、汗びっしょりになった時に和助が来てくれ....
「一寸怪」より 著者:泉鏡花
と、見ている前で、障子がめらめらと、燃える、ひゃあ、と飛ついて消す間に、梁へ炎が
絡む、ソレ、と云う内羽目板から火を吐出す、凡そ七日ばかりの間、昼夜|詰切りで寐る....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
かも夫は紙屑買いに、妻は吉原松葉屋の小松という花魁とまでなり果ててしまう、これへ
絡むにお里の義理ある兄倉岡元仲が江島屋養子安次郎の父や、小松の母の殺害事件があり....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
てるのがありますね、八口の切れてるのがありますね、どれもどれも小刻みに、歩行くと
絡むのは燃立つでしょう。 一人々々に人形だの、雛の道県だのを持ってる、三人目の....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
鳥が近くの草叢から飛出す。ハタハタと彼方に音するのは、鳩であろう。山毛欅の大木に
絡む藤蔓、それをあなたこなたと跳び走っているのは栗鼠である。 熊笹を分けて一筋....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。
帝
やはり己は騙されたのか。
お前方は己を網に入れた。
その糸が身に
絡むのを、己は気味悪く思っているのだ。
メフィストフェレス
御落胆なさい....