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給え
「給え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
給えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
哲学は哲学、人生は人生さ。――所がそんな事を考えている内に、三度目になったと思い
給え。その時ふと気がついて見ると、――これには僕も驚いたね。あの女が笑顔《えがお....
「影」より 著者:芥川竜之介
たように、卓上電話の受話器を耳へ当てた。
「私《わたし》の家《うち》へかけてくれ
給え。」
陳の唇を洩れる言葉は、妙に底力のある日本語であった。
「誰?――婆や....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ころで釣にはいつ出かけよう。』三浦『いつでも君の都合《つごう》の好い時にしてくれ
給え。』私『じゃ僕の方から手紙を出す事にしよう。』そこで私は徐《おもむろ》に赤い....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
桜《いとざくら》が一本、夢のように花を煙らせていた。
「御主《おんあるじ》守らせ
給え!」
オルガンティノは一瞬間、降魔《ごうま》の十字を切ろうとした。実際その....
「彼」より 著者:芥川竜之介
話し合った。
「この砂はこんなに冷《つめ》たいだろう。けれどもずっと手を入れて見
給え。」
僕は彼の言葉の通り、弘法麦《こうぼうむぎ》の枯《か》れ枯《が》れにな....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
僕等の話にほとんど伴奏を絶ったことはなかった。
「ちょっとあの給仕に通訳してくれ
給え。――誰でも五銭出す度に僕はきっと十銭出すから、グラノフォンの鳴るのをやめさ....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
と、「まあ私の片恋って云うようなもの」なんだからね。精々そのつもりで、聞いてくれ
給え。
お徳の惚れた男と云うのは、役者でね。あいつがまだ浅草|田原町《たわらま....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
。」と云った。
「僕の鶯鶯《おうおう》? そんなものがあるものか。」
「嘘をつき
給え。論より証拠はその指環じゃないか。」
なるほど趙生《ちょうせい》が指さした....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
は神霊に質《ただ》す。請う、皇愍《こうびん》を垂れて、速《すみやか》に吉凶を示し
給え。」
そんな祭文《さいもん》が終ってから、道人は紫檀《したん》の小机の上へ....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
して、その中の一枚を山川技師の眼の前へひろげると、指である箇所をさしながら、読み
給えと云う眼つきをした。それがあまり唐突《とうとつ》だったので、技師はちょいと驚....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
ん身に叫びをなし奉る。あわれこの涙の谷に、柔軟《にゅうなん》のおん眼をめぐらさせ
給え。あんめい。」
するとある年のなたら(降誕祭《クリスマス》)の夜《よ》、悪....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
って、勢い好く梯子を走り下りた。
「神山さん。ちょいと看護婦会へ電話をかけてくれ
給え。」
彼の声を聞いた五六人の店員たちは、店先に散らばった商品の中から、驚い....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
》ったと見え、ぶるぶる手のペンを震《ふる》わせている。
「とにかく早く返してやり
給え。」
「君は――ええ、忍野君ですね。ちょっと待って下さいよ。」
二十《はた....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
はなむけ》ならず、里見殿《さとみどの》の賜《たま》ものなるに、辞《いろ》わで納め
給えと言う。」――僕はそこを読みながら、おととい届《とど》いた原稿料の一枚四十銭....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
前に判っている事ではないか。このようなことで、私の時間をつぶさないようにしてくれ
給え。」 しかし、誰か新しい発見でもすると、ファラデーは人を招いて、これを見せ....