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統べる
「統べる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
統べるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文字禍」より 著者:中島敦
によって統べられない手・脚・頭・爪・腹等が、人間ではないように、一つの霊がこれを
統べるのでなくて、どうして単なる線の集合が、音と意味とを有つことが出来ようか。 ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ボ的な顔だち。しかし、駆黴剤の浸染はかくし了せぬ素姓をいう……、いまこの暗黒街を
統べる大|顔役二人が、折竹になに事を切りだすのだろう。 「じつは、高名な先生にお....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
海岸の広場にある王宮といっても、簡易な三層の漆喰建であるが、ともあれ、オーマンを
統べる大元首のいますところ。花火、水晶の燭架眼眩いなかに、今宵の客人がいと静かに....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
多勢のおこすその鞆の音が女帝の御耳に達したものであろう。「もののふの大臣」は軍を
統べる将軍のことで、続紀に、和銅二年に蝦夷を討った将軍は、巨勢麿、佐伯石湯だから....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
立つ挑発《ちょうはつ》的な調子に変わっていった。この状況に驚く者は、理性が世界を
統べるという幻のうちに生きてる人々ばかりだった。しかしそういう人はフランスにたく....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
う。しかしこの行動の天才はヨーロッパのどこにもいなかった。あたかも世界はおのれを
統べるためにもっとも凡庸な者どもを選んだかの観があった。人類の精神の力は他の方面....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
はアッソンプシオン長老と言われていた。
サント・メチルド長老は、歌と歌唱隊とを
統べる役目を持っていて、好んで寄宿生を採用した。採用される者は、普通は一音階すな....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
時として、主義に反し、自由と平等と友愛とに反し、一般投票に反し、万人が万人を
統べる政府に反してまでも、その苦悩と落胆と欠乏と激昂と困窮と毒気と無知と暗黒との....
「雪の宿り」より 著者:神西清
るのを見るにつけ、一掬哀惜の涙を禁めえぬそのひまには、おのずからこの無慚な乱れを
統べる底の力が見きわめたい、せめて命のある間にその見知らぬ力の実相をこの眼で見た....
「かもめ」より 著者:神西清
が勝つことになって、やがて物質と霊魂とが美しい調和のなかに溶け合わさって、世界を
統べる一つの意志の王国が出現する、ということだけだ。しかもそれは、千年また千年と....
「三国志」より 著者:吉川英治
ら見ていた。 総勢、約千五百の兵。 隊伍は整然、歩武堂々。 「そもこの精鋭を
統べる将はいかなる人物か」を、それだけでも思わすに足るものだった。 見てあれば....