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絲
「絲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
絲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首を失った蜻蛉」より 著者:佐左木俊郎
、その首の無い蜻蛉の屍を拾い上げて見た。すると蜻蛉の足から翼にかけて、細い細い絹
絲のような蜘蛛《くも》の巣が、幾本も寄り集まってもちの様に喰い付いている。それか....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
に見せる為様々の蜘蛛を其の貯蔵室へ入れる相だ、スルと蜘蛛が何の瓶へも、何の瓶へも
絲を附け、一年も経ると百年も経た瓶の様に見えるので、買人《かいて》が直ぐに幾十年....
「鰊漁場」より 著者:島木健作
夫十人ほどと二艘の磯舟に分乗して沖合はるかに漕ぎ出して行った。舟には覗眼鏡、探り
絲、八尺、それから筵を何枚も縫い合し、それに錘をつけたものや、樹木の枝を数十本束....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
云うのが、犯人に想像されるんだ。どうだね支倉君、これで先刻人形の室で、犯人が何故
絲と人形の技巧を遺して置いたのか判るだろう。外側からの技巧ばかりを詮索していた日....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
一 ――その第九話です。 とうとう江戸へ帰りました。
絲の切れた凧のような男のことであるから、一旦退屈の虫が萌して来たら最後、気のむく....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ら、路銀じゃ。二十両あらば充分であろう。夜通し参って、夜通し連れて参るよう、金に
絲目をつけず手配せい」 その場に発足させておくと、老神主に伝えさせました。 「....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
属品であるらしく、ほかに立派な宮中用らしい帯剣とチョッキ、そのチョッキは金の編み
絲で華麗に飾られていたらしいが、今はもう黒くなって湿っていた。それから五ギニアの....
「離魂病」より 著者:岡本綺堂
見せて、その晩にも屋敷の門前にあらわれたということになると、両方のあいだに何かの
絲を引いているようにも思われて、西岡が魔ものだというのも一応の理屈はある。しかし....
「白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
た。ほかの止宿人たちが想像していたとおり、山岸と伊佐子さんとのあいだには、何かの
絲がつながっていて、奥さんもそれを黙認しているに相違ないのです。そこで、わたしは....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
羽二重。しかし大分年代もので、紋の白味が黄ばんでいた。横たえている大小も、紺の柄
絲は膏じみ、鞘の蝋色は剥落し、中身の良否はともかくも、うち見たところ立派ではない....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
た。そうして、かれらがきょうも私の車室へ乗込むことを願っていると、二人はあたかも
絲にひかれるように、わたしの車室へ入り込んで来たので、占めたと思って見ていると、....
「香熊」より 著者:佐藤垢石
六 献立表に書いてある前菜の四冷葷が炊白鶏を第一として歯鮑片、五番且、三
絲※五などが卓上に現われる。それが、一巡してから大皿に盛り出されたのが、「香熊」....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
叢林の若葉の色沢は、触れれば弾力を感ずるのではないかと思う。 六里ヶ原の浅
絲の下には、幾本もの渓流が吾妻川の峡谷に向かって走っている。そこには、数多い山女....
「増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
した。この辺、まことにさばさばとしていて面白い。 筆者はこのほど、瑞蓮寺に住職
絲山氏を尋ねて霊廟物語につきいろいろと話を承った序に、土方らが押し入った当時増上....
「古事記」より 著者:太安万侶
、その人を知りたいと思つて、その女に教えましたのは、「赤土を床のほとりに散らし麻
絲を針に貫いてその着物《きもの》の裾に刺せ」と教えました。依つて教えた通りにして....