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絵になる
「絵になる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
絵になるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三四郎」より 著者:夏目漱石
《カンバス》にはうつりが悪くっていけないが、あの女や野々宮さんはいい。両方ともに
絵になる。あの女が団扇《うちわ》をかざして、木立《こだち》をうしろに、明るい方を....
「写生紀行」より 著者:寺田寅彦
しれないと思ったりした。実際洗いざらしの鉄道工夫の青服などは、適当な背景の前には
絵になるものの一つである。ヴェニスの美しさも半分は自然のためによごれさらされてい....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
多くの写生がしてみたい、八号を幾枚、一〇号を何枚、ついでに大作も一枚、あの風景は
絵になるかどうか、雨は降りはしないだろうか、女中の祝儀はいかにしたものか、といっ....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
する事はいらない事だと思う。それで私は小説によって私自身の心に起った想像の中から
絵になる要素をなるべく引出して正直に絵の形に直して皆さんへ伝える事に努力したいと....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
する事はいらない事だと思う。それで私は小説によって私自身の心に起った想像の中から
絵になる要素をなるべく引出して正直に絵の形に直して皆さんへ伝える事に努力したいと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ここに至って、白雲は、鬣《たてがみ》を振い立つように雀躍《こおどり》しました。
絵になるどころか、馬は天下の画材である。ことに放牧の馬は、和漢古来、名匠の全力を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
つぶしたことがある。素裸で、お蕎麦一杯を恭しく捧げて、まじめくさって突立った形は
絵になるじゃないか、白蔵主《はくぞうす》のお使といったような形だね。そんな人を食....
「凧の話」より 著者:淡島寒月
字は定まっている。けれども『三国志』や『水滸伝』の人物の二人立三人立などの細かい
絵になると、高く揚った場合、折角の絵も分らないから、それよりも月浪とか童子格子と....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
を眺めていると、コムポジションを一寸工夫するともっと生活の雰囲気とスケールのある
絵になると感じられますね。もっとも前景の一かたまりの人間と、その奥の木を引っぱる....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
、子供の群が泳ぎ戯れてもいた。 首から下を緑青の水に浸している若き婦人。それが
絵になるとかならぬとか、そうした考えも何もなかった。いきなり直芳は矢立の筆の先を....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
こりゃ如何《どう》したらよかろうぞえ」 と、きて、はじめて、人生は芝居になる。
絵になる。詩になる。すなわち現実の真でなく、芸術の上の真として、大方の胸へ囁き、....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
た。 粉奈屋へ帰ったのは午後の二時。 富士川通船の出るあたりに往って見たが、
絵になるような場所はない。 十五日は曇っていた。七時半に馬車へ乗り、甲府へ向う....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
、斜《ななめ》に坂を蔽う一株《ひとかぶ》の榎《えのき》との配合が自《おのずか》ら
絵になるように甚だ面白く出来ている。振袖火事《ふりそでかじ》で有名な本郷本妙寺《....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
どの町風を見ても、もう今日との著しい違いが見られる。まして職人|尽しの歌合などの
絵になると、よくも是だけ変った外形の中に、古今を一貫した考え方や物の見方を、保ち....
「南画を描く話」より 著者:中谷宇吉郎
写真と、丁度それに相応した姿の絵とが沢山あるが、開いて行くうちに、はっと「これは
絵になる」という気がするのは、殆《ほと》んど全部生態写真の方である。もっとも絵の....