絵に描いたよう[語句情報] » 絵に描いたよう

「絵に描いたよう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

絵に描いたようの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
山がかりになっている料理屋の庭には、躑躅《つつじ》が咲乱れて、泉水に大きな緋鯉が絵に描いたように浮いていた。始終働きづめでいるお島は、こんなところへ来て、偶に遊....
蠅男」より 著者:海野十三
戦慄を抑えつけて、厳然とこの大怪物と睨み合っている。 傍らの椅子には、これまた絵に描いたような麗人糸子が膝に伏せた本の上にすんなりとした片手を置いて、何ごとも....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
う者もある、じゃが是はある」 鐵「へえ、ど何んな塩梅に出るもんですな」 僧「形は絵に描いたようなものだ、朦朧として判然其の形は見えず、只ぼうと障子や襖へ映ったり....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
また呼んだ。 リット少将は、その声のする方を見た。そこは真青な海原だった。絵に描いたような美しい夜の海原だった。少女の声は、すぐ下の波の間から聞えるのだっ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の側面は、その全体を見ることもできるし、橋の上の人の提灯も、橋の下の舟の提灯も、絵に描いたように見えるけれども、それを眺めているのではありません。 暫くこうし....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
真夜中の事でございます。寐られません目をぱちぱちして、瞶めておりました壁の表へ、絵に描いたように、茫然、可恐しく脊の高い、お神さんの姿が顕れまして、私が夢かと思....
源氏物語」より 著者:紫式部
からだを少し小さくしている横顔がきれいで、絃《いと》を押す手つきなどの美しいのも絵に描いたように思われるのを、大宮も非常にかわいく思召《おぼしめ》されるふうであ....
光は影を」より 著者:岸田国士
の瞬間であつた。彼は、むしろはつきりとその娘の顔をみた。薄暗い光の下で、それは、絵に描いたような美少女であつた。 それから二三日して、彼の留守中、味岡正造とい....
魔都」より 著者:久生十蘭
うと企てるような地味な人物だから、才気溌剌という工合にはゆかないが、一面に愚直を絵に描いたような、判り易くいえば土方の棒頭ふうな磅※《ぼうはく》たる気宇を持ち、....