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「絵巻物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

絵巻物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
せた。私は十六七の頃にはもう濃く礬水《どうさ》をひいた薄美濃紙を宛《あ》てがって絵巻物の断片を謄《す》き写しすることも出来たし、残存の兜《かぶと》の錣《しころ》....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
流れて、花も蝶も鶯も色をうしない声をひそめるばかりであった。 これもその美しい絵巻物のなかから抜け出して来た一人であろう。縹色《はないろ》の新しい直衣《のうし....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
い一篇の多恨なる血涙史であったが、アカグマ国人にとっては、それは輝かしき大勝利の絵巻物であって、幾度見ても、見飽きないドラマだった。 舞台のうえでは、イネ国の....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
在、未来の差別はないのでございまして。……でも無理にそんな真似をして、足利時代の絵巻物をくりひろげてお目にかけて見たところで、大した価値はございますまい。現在の....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
めに一身を犠牲にすることを辞せなかった。彼の一生は人間の歴史が有する、最も高潔な絵巻物の一つである。同様に世界を迷妄の闇の中から救い、これに真理の光を注いだ人達....
ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
な妖怪に至るまで皆、五体をそなえた現実的な姿をしている。かまくら時代の百鬼夜行の絵巻物には、この妖怪がへんに生々しくかけているが、皆足を持ち、様々な姿態をつくし....
作画について」より 著者:上村松園
ぶ永いこと通いました。 勉強ともあれば博物館にも出掛けて行って、支那絵の古画、絵巻物、ときどきは仏画などをも参考に資するべく、わざわざ奈良の博物館へ弁当持参で....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
しいさまざまな色彩が浮かぶ、昔見た美しいとじ糸のついた絵日傘が浮かぶ、いつか見た絵巻物が鮮やかに展開する。そうしていつかしら私はぐっすり眠ってしまいます。また次....
縮図帖」より 著者:上村松園
てと縮図帖とは忘れずに携えていっては沢山の縮図をしてきたものだ。 花鳥、山水、絵巻物の一部分、能面、風俗に関する特別の出品物まで、いいなと思ったものはどしどし....
旅客機事件」より 著者:大庭武年
し立てる事が出来ます。これは一分でも座席から離れていたのでは不可能な事です。私は絵巻物をくり拡げるように一分間分のブランクもないように、沿線各地点の模様を述べま....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
を好みて、夜は常に木偶の形など書き散らして楽みしが、ただみづから画くのみならで、絵巻物(註、錦絵の事なり)など殊の外よろこびて常に玩べりとか。 画の外余の尤も....
昔尊く」より 著者:上村松園
して奥の机には、苦心に苦心を重ねて集めました参考品に写しましたもの、それに大事な絵巻物や印材など、私にとっては金に換えがたいものばかりを蔵っていたのでございまし....
今日になるまで」より 著者:上村松園
。そこで参考品を探すのに非常に苦心をしました。博物館に行ったり、神社仏閣に風俗の絵巻物があると聞いては紹介状を貰って、のこのこ出掛けて行きました。殊に祇園祭には....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
的|雰囲気をねらっていたことであろうと思われる。物語的というのがどうかとならば、絵巻物の一情景の文学化であるといってもよい。このような一類の歌では、十分に絵画的....
むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
。その肉塊は恰度活動のフィルムのようなもんで、眠に陥るのを待って、そろりそろりと絵巻物をひろげて私に見せ始めるのではないかと、少々薄気味悪く思っているんです。も....