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「絵様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

絵様の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
のだが、鬢附油の匂いに至っては専ら中下の社会を宛《あ》て込んで作ったちょうど浮世絵様の物なれば、下品といえば下品なると同時に、人に感受さるる力も強く、また解りや....
死者の書」より 著者:折口信夫
伝うもののあったのを知る者の、ある訣はなかった。 姫の俤びとに貸す為の衣に描いた絵様は、そのまま曼陀羅の相を具えて居たにしても、姫はその中に、唯一人の色身の幻を....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
迢空さんは『死者の書』の結尾にこういっている。「姫の俤びとに貸すための衣に描いた絵様は、そのまま曼陀羅の相を具えていたにしても、姫はその中に、唯一人の色身の幻を....
魔像」より 著者:林不忘
まには――殿様、女子は口の軽いもの、秘密の守れぬものとなっております。万が一、園絵様の口からふっと洩《も》れはせぬか、洩れはせぬまでも、園絵様の様子で感づかれは....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
と描いたものではなかったと謂える。心願を持って、此は描いたものなのだ。其にしては絵様は、如何にも、古典派の大和絵師の行きそうな楽しい道をとっている。勿論、個人と....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
一晩派手にやったと思やあ三百両は安いもの、路銀は早打で取り寄せる。……だが、お千絵様から頼まれた大事な手紙、ありゃ、てめえが別に袷の襟へ縫い込んでいた筈だっけな....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
から、弦之丞と西東に立ち別れ、一足先に江戸へ入った万吉は、まだ何かの都合で、お千絵様にも会ってはいないらしかった。 という次第は。 彼が江戸へ入ると真っ先に....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、ど、ど、堂島へ出て、万金を賭して相場をやってごらんなさい。お、お綱だッて、お千絵様のことだッて頭から消えてしまう。イヤ、当然に消えてしまう!」 と、天堂一角....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
だせずに秘められている、恋である。 だが、弦之丞には、すでに、愛人として、お千絵様という者がある。それを知っている万吉の立場では、いかにお綱の心を汲んでも、弦....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
を、首を長くして待っているに違いない。 そんな話。 そんな話からお綱は、お千絵様は――といって弦之丞の顔色を見た。 かれは、それなり黙然としてしまった。 ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
さて、その後またどうしたろうか、お千絵様は? かの女の今の環境はしずかであった。爽やかな京の秋がおとずれている。 ....
遠野物語」より 著者:柳田国男
ど神の恵ありて、ついに長者の妻となるという話なり。エピソードにはいろいろの美しき絵様あり。折あらば詳しく書き記すべし。 一一九 遠野郷の獅子踊に古くより用いたる....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
ような形の鳥が、丹色の小魚を長い嘴のさきに啄ばんで、水の上を飛び渡るというような絵様は、いまだかつて人の空想にも浮ばなかったと思う。 僕が楚人冠であったら、土....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
な人生のみを目標とはしていなかったのである。 附句を案ずる人たちは、通例はまず絵様を胸に画くべしと教えられていた。歌仙は三十五通りの男女僧俗の、絵額の排列を聯....