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「絶え間ない〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

絶え間ないの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
悦《よろこ》ばしいことであろう。自分は生活に疲れているばかりではない。何十年来、絶え間ない創作の苦しみにも、疲れている。…… 老人は憮然《ぶぜん》として、眼を....
」より 著者:芥川竜之介
おお、よく肥《ふと》っていらっしゃる。」 やや上気《じょうき》した女の顔には、絶え間ない微笑が満ち渡った。女は敏子の心もちに、同情が出来ない訳ではない。しかし....
蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
ね。」 「獲物? ああ、あの札か? あんなものはざらにありはしない。」 僕等は絶え間ない浪の音を後《うしろ》に広い砂浜を引き返すことにした。僕等の足は砂の外に....
梓川の上流」より 著者:小島烏水
》の峠、つづいては深山|生活《ずまい》の荒男《あらしお》の、胸のほむらか、硫烟の絶え間ない硫黄岳が聳えている、その間を水に浸された一束の白糸が乱れたように、沮洳....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
で、蒔田に頼まれて電気装置を見廻りに来てやったことがある。広い海を控え雲の往来の絶え間ない山があった。こういう自然の間に静思して考えを纏《まと》めようということ....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
なのですよ。」 この陰惨な動因に、イリヤは耳を覆いたかったであろう。閉じた瞼が絶え間ない衝動で顫えていた。法水はやっと解放された思いで、説明を殺人方法に移した....
早すぎる埋葬」より 著者:佐々木直次郎
その恐るべき力を目の覚めている時間にもひろげてきた。神経はすっかり衰弱して、私は絶え間ない恐怖の餌食となった。馬に乗ることも、散歩することも、その他いっさいの家....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た、そして平気でいた。クリストフは、悪いことをしたという考えに悩まされた。それは絶え間ない苛責《かしゃく》だった。なおそれには、消え去った彼女の眼から彼の上へ静....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、廊下の足音や扉《とびら》を閉《し》める音や電鈴の音におびえ、馬車や重い荷馬車の絶え間ない響きに頭を痛められて、その怪物のごとき都会が恐ろしく感ぜられた。その中....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。地質の脆弱《ぜいじゃく》、人の達し得ないほど深い所に起こる地すべり、夏の豪雨、絶え間ない冬の雨、長く続く霖雨《りんう》など。また時とすると、泥灰岩や砂質の地面....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
杜子春はこの天変の中に、恐れ気もなく坐っていました。風の音、雨のしぶき、それから絶え間ない稲妻の光、――暫くはさすがの峨眉山も、覆るかと思う位でしたが、その内に....
犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
もないような響きの中に、ひょっとしたらわれわれの永遠の救いのしるし、地上の生活の絶え間ない推移のしるし、完成への不断の歩みのしるしが、ひそみ隠れているのかも知れ....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
ちたらしい。眠りながら私は手の触覚を体の全体に感じていた。嫋かではあるが粗い掌の絶え間ない触覚を感じていた。 どれだけ眠ったか私には一向見当がつかなかった。眼....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
地下都市である。二本の竪坑で地上と結ばれた明るい煉瓦巻の広場にはポンプや通風器の絶え間ない唸りに、技師のT型定規や監督の哄笑が絡まって黒い都市の心臓がのさばり、....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
端」に変ってしまったという外はない。如何に万法は流転するとはいえ、こういう変化の絶え間ない都会は世界中にも珍しいであろう。 僕等はいつか工事場らしい板囲いの前....