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「絶句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

絶句の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
もいいのである。ついでだからもう一つ例をあげると、俳優が偶然あるせりふにつまって絶句したとする。かようなことは実際の人生には絶えずあることで、むしろむだのない長....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
役者になってもせりふの覚えが悪かろうと答える。すると吉弥がそばから、 「まさか、絶句はしない、わ」と、答えたのを思い出した。 「しばらく御ぶさた致し候。まずはお....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
私の持っている扇をみて、しきりに欲しそうな顔をしているので、私はその白扇に漢詩の絶句をかいてやると、彼はよろこんで貰って行った。すると、一時間あまりの後に、その....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
にこれを上げよう。」 前に貰ったのよりも遥かに上等な扇子に、将軍が手ずから七言絶句を書いたのをくれたので、張訓はよろこんで頂戴して帰って、自慢らしく妻にみせる....
碁の手直り表」より 著者:菊池寛
その卓子を前にして、いつも坐っていた。その背後には、権藤成郷氏が直木に贈った七言絶句の詩がかかっていた。 烏 兎 慌 忙 憂 不 絶。 一 年 更 覚 □ ....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
ている。 「もっともな、わりゃ……」 言い掛けた時であった。この見越入道、ふと絶句で、大な樽の面を振って、三つ目を六つに晃々ときょろつかす。 幕の蔭と思う絵....
小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
えるのである。 序ながら書き加えるが、小杉氏は詩にも堪能である。が、何でも五言絶句ばかりが、総計十首か十五首しかない。その点は僕によく似ている。しかし出来映え....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
味にかぶれて、画ごころのあったところから、梅や竹なんぞをひねくって、作れもしない絶句を題して、青山居士と署した反故が、張り貫きの箱の中に久しくしまってあった。芝....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
には若侍は参ってしまった。 (どうもいけないや、俺より上手だ) そこで茫然して絶句した。 すると、黒鴨の武士が云った。 「長くとは申さぬ、一カ月余」 それ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
膝を立てて胸を反らせたが、感情がにわかにたかぶったからでもあろう、言葉切れがして絶句した。と見てとった北条美作は、なだめるように片手を伸ばすと、おさえつけるよう....
雪柳」より 著者:泉鏡花
ぼめていた、唐桟柄の羽織で、黒い前垂をした、ぶくりとした男が、舞台で目を白くする絶句に後退りをしながら振返ったのが、私に気がつくと、そのまま……熟と視た。 開....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
考えた後、「……跡が出ない。が、爰で名句が浮んで来るようでは文人の縁が切れない。絶句する処が頼もしいので、この塩梅ではマダ実業家の脈がある、」と呵然として笑った....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
じ、やや平穏に復す。暑気強からざれば、食堂において礼拝式あり。左に船中所詠の五言絶句を掲ぐ。 大西洋漠漠、尽日只看、風濤枕上聞。 (大西洋はひろびろとして、一日....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
家主長兵衛など、いつまでも好劇家の話柄に残れり。彼は文筆の才ありて『手前味噌』『絶句帳』などの著述あり。 ○三月、中村福助の人気頂上に達し、新富、市村、千歳の三....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
な事蹟をたずねた方がこの際特に意味深いであろう。 満州人敦厚の“都門紀変三十首絶句”というのは多分拳匪の乱を謳ったものらしいが、その中の第七首“粛府”にこうい....