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絶対者
「絶対者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
絶対者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「語られざる哲学」より 著者:三木清
安定を与える第三のものとして、もしくはそれらを抱合する唯一つのものとして、私は、
絶対者の存在を挙げることができると思う。 永遠なる価値の存在の信仰にして虚妄で....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
や賞讃の対象となるのだ。――つまり道徳の問題となる時初めて、不変者は真の意味での
絶対者となる。神聖にして不可侵なもの、批評を加えるべからざるもの、となるのだ。 ....
「絶対矛盾的自己同一」より 著者:西田幾多郎
なポイエシス的過程は何処までも無限進行でなければならない。我々はその方向において
絶対者に、神に結び附くのではない。我々は我々の自己成立の根柢において神に結合する....
「鎮魂歌」より 著者:原民喜
とうに人間の死骸《しがい》だったのだろうか。むくむくと動きだしそうになる手足や、
絶対者にむかって投げ出された胴、痙攣《けいれん》して天を掴《つか》もうとする指…....
「人造人間」より 著者:平林初之輔
生活を送ろうと考えたのである。――世界をも恋故に――クレオパトラの言葉が彼女には
絶対者の暗示のように思い出された。 意外にも一番はじめに試みた鍵がうまく鍵穴に....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
tvorstellung)のごとく、主観と客観との差別のない、物心を統一せる第三
絶対者をもって実在とするのである。この点は氏の哲学が客観世界を主観の活動の所産と....
「ファシズムは生きている」より 著者:宮本百合子
て反語的にいえば悲しみました。それほど一人の人間として、男として無能力者が日本の
絶対者としての天皇だったということは、日本中に強烈な印象を与えています。世界がも....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
de N-O〕 及び verstehende N-O。第一のものは、形而上学的な
絶対者の領域に適用され、第二のものは自然の領域に適用され、第三のものは文化の領域....
「辞典」より 著者:戸坂潤
裡に考えられていた意志の弁証法は、後に到ってはもはや現実自身のもつ規定ではなくて
絶対者たる現実に関する体系的叙述のみが有つ規定にまで限定されたことは注目に値する....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
窓を開いた。
「御者、」と彼は言った、「オンム・アルメ街七番地へやれ。」
十一
絶対者の動揺
彼らは先方に着くまで一言も口をきかなかった。
ジャン・ヴァル....
「哲学入門」より 著者:三木清
の静的なものと考えるに反して、実用主義者は先験的な原理、閉鎖された体系、いわゆる
絶対者を認めない。「真理は真と成る、もろもろの出来事によって真となされる。それの....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
もよかった。武士たる者が、戦場にはるべきイノチを、蛇にかまれて死ぬとは! 然し、
絶対者に於て、戦死と、蛇にかまれて死ぬことの差が何物であるか。大蛇を見たい実証精....
「範疇としての空間に就いて」より 著者:戸坂潤
に相対的な関係が成り立つに過ぎないことを見るであろう。空間の表象内容はこのような
絶対者である。そしてこの
絶対者は主観ではなくして客観に外ならない。このようにして....
「地上」より 著者:島田清次郎
者か不良青年にしか見えなかった。彼らははじめ彼を狂人だと罵りました。しかし、神、
絶対者に選ばれたる神の子、真理そのものの体現者であると信じた彼の霊妙な性格にひき....
「澪標」より 著者:外村繁
感じない。私はいつも清潔な態度を持していたつもりである。しかし仏とか、神とかいう
絶対者の前に立っても、果して同じことが言い切れるか。私は彼女等に好意を持っていた....