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絶筆
「絶筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
絶筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「狂言の神」より 著者:太宰治
るいはまともの尊敬を以て、あるいは軽い戯れの心を以て呼ばれていた、作家、笠井一の
絶筆は、なんと、履歴書の下書であった。私の眼に狂いはない。かれの生涯の念願は、「....
「さようなら」より 著者:田中英光
」とは唐詩選の一句。それを井伏さんが、「サヨナラダケガ人生ダ」と訳し、太宰さんが
絶筆、「グッドバイ」の解題に、この原句と訳を引用し、(誠に人間、相見る束の間の喜....
「新生」より 著者:島崎藤村
もって発狂の人となす、豈《あ》に悲しからずや」とは父がその木小屋に遺《のこ》した
絶筆であったという。父は最後に脚気《かっけ》衝心でこの世を去った。
....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
くるだろうか。 ああ三上と、しばらくロイスは咽び泣いていた。おそらくこれが彼の
絶筆であろうか。なお、地図には祈祷台とか、|鉄の門とか目印が記されてあるが、おそ....
「家」より 著者:島崎藤村
忠寛の歌集、万葉仮名で書いた短冊、いろいろあるが、殊にお種の目を引いたのは、父の
絶筆である。漢文で、「慷慨憂憤の士を以って狂人と為す、悲しからずや」としてある。....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
死後希望
身は消えて心はうつるキトウスと
十勝石狩両たけのかひ
翁の
絶筆であった。
四
翁が晩年の十字架は、家庭に於ける父子意見....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
ずから落ち葉を掃い、内ポッケットをかい探りて一通の書を取り出でぬ。 こは浪子の
絶筆なり。今日加藤子爵夫人の手より受け取りて読みし時の心はいかなりしぞ。武男は書....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
させながら皆の顔を見た。「××新聞に載っていた、大老についての記述が、先生最後の
絶筆となったようなわけですから、その縁でもって……。」 「あれは、たしか未完結の....
「辞典」より 著者:戸坂潤
chen Vernunft, 1869―山川均訳、弁証法的唯物観)を書く。これは
絶筆たる『哲学の実果』(Das Akquisit der Philosophie....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
り三代目新七であったが、大切の浄瑠璃に「奴凧」が上演された。この浄瑠璃が黙阿弥の
絶筆である。菊五郎が奴凧を勤めるに就いて、座方では去年の「牡丹燈籠」以上の宣伝法....
「十一谷義三郎を語る」より 著者:豊島与志雄
くり話し合うことのなかったのを、ひどく心残りに思うのである。 十一谷君の最後の
絶筆は、朝日新聞の「花より外に」であった。三十九度もある発熱のなかで、解熱剤をの....
「武田麟太郎追悼」より 著者:織田作之助
疸は戦争病の一つだということだ。新大阪新聞に連載されていた「ひとで」は武田さんの
絶筆になってしまったが、この小説をよむと、麹町の家を焼いてからの武田さんの苦労が....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
りにけり 天明《てんめい》三年、蕪村臨終の直前に咏《えい》じた句で、彼の最後の
絶筆となったものである。白々とした黎明《れいめい》の空気の中で、夢のように漂って....
「春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
るから、二代目春水などの作と見ることは出来ない訳である。即ち此書は大衆作家春水の
絶筆たる大衆向教訓書といってもよいであろう。 次に挙げた『赤本智恵鑒』が如何な....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
、電話デ須藤先生ヲ頼ンデ下サイ。早速ミテ下サル様ニト。L拝 早々頓首」 これが
絶筆なんですよ。この朝、まだ、日記をかきかけているんです。日附だけでしたが。 ....