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絹布
「絹布〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
絹布の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
ラコを選んだが、これまた地質のよい丈夫なもので、ペトローヴィッチの言葉によれば、
絹布よりも上等で、外見もずっと立派な、艶もいい品であった。貂皮《てん》はなるほど....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ちゃんともう向こうさまがお宿をこしらえておいてくだすって、ね、ほら、お座ぶとんは
絹布でしょう。火おけは南部|桐《ぎり》のお丸胴でね。水屋があって、風炉《ふろ》に....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
より取り集め得たり
「此の宝、水底に在りし事、凡そ二百五十年なり、貴重なる絵画、
絹布等祖先の目録に存する者は、惜む可し悉く水の為に敗し去りて痕跡なし、唯金銀珠玉....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
いうものをかけて呉れた。 「今晩は」 襖が開いて閉って、そこに絢爛な一つくねの
絹布れがひれ伏した。紅紫と卵黄の色彩の喰み合いはまだ何の模様とも判らない。大きく....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
持っている。でその生命を殺すことによって木綿なる物は造られる。 もしまた産衣が
絹布であるなら、
絹布の原料は絹糸であり、絹糸の基は蚕である。すなわち蚕を殺すこと....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
は例の如く絵の道具をかついで出ようとすると婆さんは私を呼びました、実はこの間から
絹布団を作ったのであるが、初めには男の人に寝てもらうとよいとの事|故、今晩はぜひ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
妙なめぐり合わせで、昔から変なものばかりに好意を持たれたものである。以前私は怪説
絹布団という話を書いたことがある。それは六十幾歳で草履の裏のような顔に白粉をべっ....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
縮をしておりましたが、女は大人しく床を伸べてしまいました。夜具は申すまでもなく、
絹布の上、枕頭の火桶へ湯沸を掛けて、茶盆をそれへ、煙草盆に火を生ける、手当が行届....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
員と熱海へアイビキに行ってきたのもいるし、待合で芸者の代りに課長を接待し、いつも
絹布のフトンにねむったわよ、という娘もいた。 山河は昔ながらでも、若者たちは雑....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
で寝ることになった。 貝十郎の案内された部屋は、十畳敷きぐらいの部屋であって、
絹布の夜具が敷かれてあり、酔ざめの水などが用意されてあった。 (さて、これからど....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
だ一人打くつろぐ事が出来た。 二 これで漸く楽になったと、純之進
絹布の夜具の中に入ろうとすると、何者やらソロソロと襖を開いて入来った。見ると地方....
「画室談義」より 著者:上村松園
てあるし、蠅や蛾の汚れを防ぐために絵にはいつでも白布をかけることにしてあります。
絹布切れでつくったさいはらい、棕櫚の手製の箒等みな自分専用のものである。 雨の....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
どネパール政府が五年に一遍|象牙とか虎の皮とかいうような貢物をシナ政府へ納めて、
絹布、金襴の類を沢山貰って帰るようなものでしょう。
もっともネパール政府では一....
「活人形」より 著者:泉鏡花
もならんずらん。色浅黒く、武者髯濃く、いかさま悪事は仕かねまじき人物にて、扮装は
絹布ぐるみ、時計の金鎖胸にきらきら、赤城というはこの者ならんと泰助は帳場に行きて....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ドが備えつけられ、それには前面と裾とに卵色の薄いカーテンが掛っている。天井も同じ
絹布で張って、壁には網棚もある。平時は関釜連絡船で、このベッドには朝鮮総督とか師....