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継目
「継目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
継目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
腐《ふ》やけたせいか、崩《くず》れかかって漠然《ばくぜん》としている。夜と屋根の
継目《つぎめ》が分らないほど、ぶくついて見える。その中へ長蔵さんは這入って行った....
「草枕」より 著者:夏目漱石
そろりそろりと上の方へ視線を移して行く。一丈の巌《いわお》を、影の先から、水際の
継目《つぎめ》まで眺めて、
継目から次第に水の上に出る。潤沢《じゅんたく》の気合《....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
と思いのほか、ひらひらと板の上を舞うように進んで余に近づいた。余と女とは板と板の
継目《つぎめ》の所で行き合った。危《あぶ》ないよと注意すると、女は笑いながら軽い....
「明暗」より 著者:夏目漱石
見た彼女は、すぐ眼を外《そら》せた。
舞台一面に垂れている幕がふわふわ動いて、
継目《つぎめ》の少し切れた間から誰かが見物の方を覗《のぞ》いた。気のせいかそれが....
「門」より 著者:夏目漱石
と位置を易《か》えなければならなかった。指で圧《お》してみると、頸《くび》と肩の
継目の少し背中へ寄った局部が、石のように凝《こ》っていた。御米は男の力いっぱいに....
「乱世」より 著者:菊池寛
や!」と、思っているうちに、大工は道具箱から一尺に近い鎹を取り出して、柱と板との
継目に当てがうと、大きい金槌へ、いっぱいの力を籠めながら、カーンと鋭く打ち込んだ....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
の方へ辷って行った。そうして元の穴へ身を隠した。と音も無く壁が閉じた、糸筋ほどの
継目も見えない。 「おっ、畜生! 来やがったな!」どうしたものか香具師は、俄に叫....
「落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
工だと考えたものは、今度は鉄かあるいはなにか他の金属の大きな板らしく思われ、その
継目が凹みになっているのであった。この金属板を張った構内の壁の全面には、修道僧の....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
掛けて駆昇った事がある。…… 呼吸が切れ、目が眩むと、あたかも三つ目と想う段の
継目の、わずかに身を容るるばかりの石の上へ仰ぎ倒れた。胸は上の段、およそ百ばかり....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
る気持になれたのだ。何たる没情。何たる偏奇。新らしい陶器を買っても、それを壊して
継目を合せて、そこに金のとめ鎹が百足の足のように並んで光らねば、その陶器が自分の....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
で縛ったものを用いていたが、後には一片の彫刻物で代用するようになり、後には真中の
継目の痕も略されて新月形になってしまったという事がわかった。 (明治四十一年五月....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
波大円君の寄贈にかかる。その左方のは木棺をそのまま雨露に曝したもので、蓋の木材の
継目のあたりは、既に腐朽を示している。右方のは土を以て棺を被い、上に瓦を葺いてや....
「活人形」より 著者:泉鏡花
四尺向うへ開く仕懸にて、すべての機械は人形に、隠るる仕方巧みにして、戸になる壁の
継目など、肉眼にては見分け難し。得三|手燭にてこの仕懸を見せ、「平常は鎖を下して....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
「議長、私は彼を養子に貰いたいと思うのであります。私の家族は無人でありまして、
継目相続するものを捜していたのであります。幸、私の娘も本年高等鰌学校を優等で卒業....
「それから」より 著者:夏目漱石
経を寄せていた。風が吹いても、砂が飛んでも、強い刺激を受けそうな眉《まゆ》と眉の
継目を、憚《はばから》ず、ぴくつかせていた。そうして、口にする事が、内容の如何《....