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綮
「綮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
綮の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「阿部一族」より 著者:森鴎外
にする。ほかの人の申し上げてすることを申し上げずにする。しかしすることはいつも肯
綮《こうけい》にあたっていて、間然すべきところがない。弥一右衛門は意地ばかりで奉....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
く》しなければなりません。それでただ今校長及び教頭のお述べになったお説は、実に肯
綮《こうけい》に中《あた》った剴切《がいせつ》なお考えで私は徹頭徹尾《てっとうて....
「写生文」より 著者:夏目漱石
た》らぬようである。虚子《きょし》、四方太《よもた》の諸君は折々この点に向って肯
綮《こうけい》にあたる議論をされるようであるが、余の見るところではやはり物足らぬ....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
政治の禍根を指摘させて居る所など、『太平記』著者の史眼は烱々として、其の論旨は肯
綮に当って居ると思う。 思うに尊氏はその所謂棟梁である。門閥に於ては源氏の正統....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
扱はんとせば、それにて済むべきや、先づ世の中の笑はれものなるべし」 も確かに肯
綮《こうけい》に当っている。 それより外国と貿易をすれば、無用の物が殖《ふ》え....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
群盗が横行して、その秩序はいやが上に乱脈になると想像するらしいが、これが果して肯
綮《こうけい》にあたった想像であろうか。もしこの想像が正鵠《せいこう》を得るもの....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
事実は中断されるべきものでなく、また昔日の考察も今日の日本の状況に照して多少|肯
綮を得る点なきにしもあらざると思って掲載するのである。 今回の旅行は、欧州に留....
「「ファン」について」より 著者:伊丹万作
面に限らず、およそ一流を極めた人の見方や批評で、これらの人の言の全部が必ずしも肯
綮に当るとはいわないがある程度までは必ず傾聴すべき滋味がある。 私の経験からい....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
鴎外の観照的能力がその具現を見せるときに、適確な記述の文章を背地に置いて奈何に肯
綮に当り、手に入ったものであるかは、原文が簡単であるだけになおよく分る。 鶴見....
「初看板」より 著者:正岡容
ずかの時間にすっかりと教えてくれました。みなウームウームと唸ってしまうくらい、肯
綮《こうけい》にあたっていることばかりでした。なんだか自分の粗悪な「芸」の着物を....
「昭和四年の文壇の概観」より 著者:平林初之輔
直な点で私たちを驚かせた。彼の批評には、見当ちがいな点も多分にあったが、中には肯
綮《こうけい》にあたった部分も少なくなかった。彼がプロレタリア文学の作品がなんら....
「西田先生のことども」より 著者:三木清
なり「あれは駄目だ」という風に、ずばりと云い切られる。その簡単な批評がまたよく肯
綮《こうけい》に当っていた。私は先生の直観の鋭さに敬服すると共に、先生のものに怯....
「三国志」より 著者:吉川英治
、玄徳こそは侮れない敵とお考えにはなりませんか」 そのことばは、大いに曹操の肯
綮にあたったらしい。彼は、※統がそう云い出したのを幸いに、 「いちど呉へかえって....