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「綱引き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

綱引きの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
級があるとみえて、最初は下回り連のありふれた曲芸。その次が鳴り物づくしに、首引き綱引き、第三にすえたのが呼び物の一つである盛遠袈裟《もりとおけさ》切りの大しばい....
二銭銅貨」より 著者:黒島伝治
ゃならず、稲にゃ雀がたかりよるのに!」母は、けわしい声をだした。 藤二は、柱と綱引きをするように身を反《そ》らして緒を引っぱった。暫らくして、小さい声で、 「....
ゼーロン」より 著者:牧野信一
子の男の声が不図そう私に聞えた。見るともう、ホースは畦道の小川まで伸びて、それに綱引きのように人がたかっている。そして間もなく細い水煙が軒先を目がけて、ほとばし....
デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
深い存在をなすものは、あの掌中に残された奇怪極まる擦過傷だよ。まさか君は、死人が綱引き遊びをしていたなんて言うまいね。 次に、あの無数の軽い擦過傷が明かに格闘....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
意の宣伝語だった。毛利元就の弓矢を折る話や、内務省かのポスターで見たことのある「綱引き」の例をもってきた。「俺達四、五人いれば、船頭の一人位海の中へタタキ落すな....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
静かにせんか! 静かにせんか! 何をするのじゃ! 何をするのじゃ!」 必死に手綱引きしめて声の限り制したが、事の勃発する時というものは仕方がない。さながら狂馬....
旅日記から」より 著者:寺田寅彦
内地から来る非常に細かい砂塵らしい。 午後乗り組みの帰休兵が運動競技をやった。綱引きやら闘鶏――これは二人が帆桁の上へ向かい合いにまたがって、枕でなぐり合って....
」より 著者:徳田秋声
ずかしそうにお辞儀をした。健かな血が、化粧した肌理のいい頬に、美しく上っていた。綱引きの腕車で出て行く、フロック姿の浅井を、玄関に送り出したお増は、屠蘇の酔いに....
創生記」より 著者:太宰治
チャンの音添えて、異様のはしゃぎかた、いいことないぞ、と流石に不安、すこしずつ手綱引きしめて、と思いいたった、とたんにわが家の他人、「てれかくしたくさん。たいし....
泣虫小僧」より 著者:林芙美子
、大丈夫だよ、それで勘三叔父さんは、啓ちゃんと仲良しだものねえ」 体操の組では綱引きが始まった。オーエス、オーエスと叫び声があがっている。 貞子が帰って行く....
魔像」より 著者:林不忘
《つなび》きと来るか」 自分も、竿を構《かま》えて、足を踏ん張る。あたまと手の綱引き……じゃアない、糸引きだ。両々相下《りょうりょうあいくだ》らない。見ていて....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
生」 片手ながら力一杯。悪僧がぐっと引いた。二人も一生懸命力の限り引いた。少時綱引きの力競べになった。空船は途中で迷っていたが、坊主がうんと頑張る途端に、艫の....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
を見たりしが、その後また見ず。午後、乗客中豪州人と南アフリカ人と両方に相分かれ、綱引きの大競争をなし、豪州人の勝利に帰す。 日落南溟風未行。 (日が沈んで南の果....