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網元
「網元〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
網元の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
その義弟の家へ出かけた。 事件は、すべて彼の留守中に悪化した。『松葉屋』も、『
網元』も、『庄屋』も、証拠不十分で不起訴になった。 村の九割までは、『松葉屋』....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
が棄てておかない。今でも××の海岸にズラリと軒を並べている※友とか|○金とかいう
網元へ船を漕ぎ付けた漁師が、仕事をさしてくれと頼むかね……そうすると店の番頭か手....
「夜の靴」より 著者:横光利一
前垂の下から野菜や芋の煮つけを出す。清江は笑っているだけだ。由良の漁場では東京の
網元が焼失してしまっており、網の修繕が出来ず、油も高くて来ないところへ、復員の子....
「初秋海浜記」より 著者:豊島与志雄
、あはははは。」 日に一升の酒がなければ一日が過せないという老人である。以前は
網元をして田地も可なりあったが、みな飲んでしまったそうである。それでも、しっかり....
「正覚坊」より 著者:豊島与志雄
面目で一生懸命だったのです。 正覚坊の像がいよいよでき上がった夕方、平助は村の
網元《あみもと》の家へ行って、そこの御隠居《ごいんきょ》に、一部|始終《しじゅう....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
、屋代家の旧家臣山口利久(今は常滑の瓦焼き)、里見家の旧家臣里見一刀(今は桑名の
網元の水夫)、吉田家の浪人仙石定邦(今は車町の私娼宿の主人) 三....
「自伝」より 著者:黒島伝治
やって行って、「マイラセ」という小籠に一っぱいか半ばい位いの鰯を貰って来るのだ。
網元を「ムラギミ」と云って、そこの親爺の、嘉平と利吉という二人が、ガミ/\子供を....
「妖蛸」より 著者:田中貢太郎
いで逃げたがためであった。そして、何くわぬ顔をしていた米は、五稜郭に近い某と云う
網元の妾になった。その時
網元の主人は、先妻を亡くしているうえに子供もないので、子....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
おりませぬばかりか、それはそれは大した繁昌で、宗像、早良の大地主、箱崎、姪の浜の
網元なんどを初め福岡博多の大旦那衆、上方下りの荷主なんども、一度はお熊の壺振りを....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
通の例である。島の村長は昔から選挙の習慣があったそうだし、網は共有であって特定の
網元はなく、土地も共有であったという。もっともそれは維新までの話である。大島に伊....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
出された女どもが、おおよそ千人ほども流れこんでいる。 金十郎は宮古に腰をすえ、
網元の帳付の手伝いをしながら、消息をたずねまわったが、その年の暮までには、たより....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
いちどぐらいなもんでしょうが」 「分っているだろうな、岩五郎の木更津の家は」 「
網元もやっているし、かくれもねえ船持です」 「まず、あしはついたな」 「おめでと....