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網戸
「網戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
網戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
みだん》の横からどんどん奥へぬけると、かって知ったもののように、がらがらとそこの
網戸をあけながら位牌堂《いはいどう》の中へはいって、ぴたりとまた戸を締めきりまし....
「道草」より 著者:夏目漱石
に行きたいから是非出してくれ、もし出さなければ倉の中で用を足すが好いかといって、
網戸の内外《うちそと》で母と論判をした話はいまだに健三の耳に残っていた。 そう....
「新生」より 著者:島崎藤村
る幾株かの柿の木、それらは皆な極《ごく》幼い頃に見たと変らずにあった。母は暗い金
網戸の閉った土蔵の石段の上に立って、手にした大きな鍵《かぎ》で錠前をガチャガチャ....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
二郎と清次と顔を見合わせて暫く黙然といたして居りますと、蔵の外より娘のおいさが、
網戸を叩きまして、 い「申し、清次さん、此所開けて下さいまし」 清「おゝ誰だえ」....
「七階の住人」より 著者:宮本百合子
員で、隅っこにやっとハンドルを動している若者が、赧い顔をして何か断りらしいことを
網戸越しに云った。廊下と昇降機の中とで友達同志が手を振り合う。殆ど止らず昇降機は....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
当にあのひとは、という風に笑った。 大きな音をたてて戸車のころがる重いくぐりの
網戸をあけて、伸子は土蔵へ入って行ってみた。入ったところの板じきには、古椅子だの....
「道標」より 著者:宮本百合子
の三階へあがっていった。この建物にはエレベーターがあったらしいが、いまは外囲いの
網戸だけがのこっている。伸子がベルを押したドアがすぐあいて、黒スカートに、少し色....
「伸子」より 著者:宮本百合子
向って歩き出した。すると、ブズー、ブズー、昇降機が急速力で昇って来た。ガチャン、
網戸が開いた。中から、金ボタンの仕着せ姿のボオイが上半身を廊下に突き出し、片手を....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
はすっかりくさってしまった。 「どこが悪いんだろうか」 電気を切ると、隆夫は金
網戸を開いて、器械のそばへ行った。 せっかくつないだ接続をはずして、装置の各パ....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
ィ・ディ・ティー製造工場を全部叩きこわすこと。それを人類に要求するのだ」 「窓の
網戸をてっぱいさせるんだ。われわれの交通を妨害することはなはだしいからね」 「こ....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
隅の方に焼け蔵が一戸前《ひととまえ》あるだけで、観音開きの蔵前を二、三段上ると、
網戸に白紙《かみ》が張ってある。くぐりをあけてはいると、ハイカラにいえば二階はあ....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
に抱いていかれた夜から、ちゃんと心得てしまって、泣いて室外へ投りだされると、蔵の
網戸のとこまで、そっと這《は》ってゆくことを覚えた。すこし大きくなってから、夜半....
「美醜」より 著者:豊島与志雄
。が私は、一二の人間の気を迎えるために、窓を閉めることもしたくないし、或は、窓に
網戸を拵えることもしたくない。また、灯のまわりを乱舞することが、彼等虫類にとって....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
楯となって引き退いたのでありました。 其所で、父は、とある荷物の中から、一つの
網戸を引っぱり出し、それを床店の屋根に掛けました。そうして、私の尻を押すようにし....
「春心」より 著者:田中貢太郎
いと、あかねえのです」 戸はやっと啓いた。戸は二重戸になっていて土戸の次には金
網戸があった。 「だめだよ、口端できいたふうな事を云ったって、からっきしだめじゃ....