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綴じ
「綴じ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
綴じの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
任からその日の仕事を与えられているところだった。その日の僕の仕事は、終日、和紙を
綴じた部厚い書類を読破することであった。僕はガランと広い部屋の片隅に席をとって、....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
。 母が階下へ降りてから、早速こわごわ封を切って見ますと、中には用箋が四五枚|
綴じた手紙が出て来ました。それは随分と乱暴な筆蹟で書きなぐってありましたが、文章....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
られた藻の根だけ鮮かに、金魚は影も形も見えなかった。 復一はかっとなって、端の
綴じが僅か残っている金網を怒りの足で蹴り放った。その拍子に跣足の片足を赤土に踏み....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
小幡家のために特に作ってあるわけではない。堺屋出入りの諸屋敷の分は一切あつめて横
綴じの厚い一冊に書き止めてあるのであるから、小幡という名を一々拾い出して行くだけ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
うのは、文久二年の市村座の五月狂言は「菖蒲合仇討講談」で、合邦ヶ辻に亀山の仇討を
綴じあわせたもの。俳優は関三に団蔵、粂三郎、それに売出しの芝翫、権十郎、羽左衛門....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、半途で病気のために筆を執ることが出来なくなったので、私が年末の急稿でそのあとを
綴じ合せた。 この脚本を上演するに就いては、内部では相当に苦情があったらしく聞....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
糸、一筋を、およそ枚数千頁に薄く織拡げて、一万枚が一折、一百二十折を合せて一冊に
綴じましたものでありまして、この国の微妙なる光に展きますると、森羅万象、人類をは....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
び姿を現わしたのは、それからなお三十分ほどして後のことだった。彼は右手に藁半紙を
綴じたパンフレットのようなものを大事そうに持っていた。 「やあ皆さん、お待たせし....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
の表紙へ目を落した。「罪と罰」――本は「罪と罰」に違いなかった。僕はこの製本屋の
綴じ違えに、――その又
綴じ違えた頁を開いたことに運命の指の動いているのを感じ、や....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
いた。 すると、捜索隊の一人が、山の古宮の境内の青萱の中から拾ったとて、美濃横
綴じの手帳を持って来た。云うまでもなくそれは直芳の物で、途中の風景その他が写し取....
「あのころ」より 著者:上村松園
って間もないころのことですから、ずいぶんとませていた訳です。 字体も大きく、和
綴じの本で、※絵もなかなか鮮明でしたからお手本には上々でした。 北斎の絵は非常....
「縮図帖」より 著者:上村松園
である。 縮図帖に用うる紙は一定していないが、なるべく庵つきのよいものを選んで
綴じ合わせて用いた。近頃はうすい硫酸紙で描いているが、これだと裏表両面の使用が可....
「座右第一品」より 著者:上村松園
ほどに、縮図と写生の帳面は強い深い思い出を持たされて居ります。いろんな紙を自分で
綴じて作った帳面ですから、形も不整いで大小があり厚薄がありますが、何十年かの間に....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
不如意に、したくても出来ない師家への義理、紫の風呂敷包の中には、ただ清書と詠草の
綴じたのが入っているばかりの仕誼、わけを知ってるだけに、ひがみもあれば気が怯ける....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
内が集まってその番附を丁寧に見る。近所の知人にも貸してやる。そうしてまた、丁寧に
綴じ込んで保存して置くという次第で、好劇家に取っては一種の宝物であるかのようにも....