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「綸子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

綸子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
れ目へ来ると、校長の佐佐木中将はおもむろに少佐の寝棺《ねがん》の前へ進んだ。白い綸子《りんず》に蔽《おお》われた棺《かん》はちょうど須弥壇《しゅみだん》を正面に....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
にも出る訣に行かなかった。）彼の家に集まった人々は重吉夫婦に悔みを述べた上、白い綸子《りんず》に蔽《おお》われた彼の柩《ひつぎ》の前に焼香した。が、門を出る時に....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
おるる立姿《たちすがた》」と唄った。半九郎に対しては、「男も肌は白小袖にて、黒き綸子《りんず》に色浅黄うら」と説明した。 一種哀艶の調《しらべ》である。但しこ....
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
臓が止りそうで声が出なかった。そして、ずるずると引きずられて出た。 「やあ！ 白綸子を着ている」 外で待っていた一人がいった。誰かが、呼子の笛を吹いた。 （白....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
縮緬、かわり色の裳を払って、上下対の袷の襲、黒繻珍に金茶で菖蒲を織出した丸帯、緋綸子の長襦袢、冷く絡んだ雪の腕で、猶予らう色なく、持って来た銚子を向けつつ、 「....
「河明り」より 著者:岡本かの子
れているものを労り起すように 「まあ、まあ」と云って、取上げてみた。 生地は紋綸子の黒地を、ほとんど黒地を覗かせないまで括り染の雪の輪模様に、竹のむら垣を置縫....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ゃないから……」と云って、「一四一四年｜聖ガル寺発掘記」の他二冊を脇に取り除け、綸子と尚武革を斜めに貼り混ぜた美々しい装幀の一冊を突き出すと、 「紋章学※」と検....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
こまで背負って来た包み物を解き出した。 美しい塗り下駄、博多の帯、縮緬の衣裳、綸子の長襦袢、銀の平打ち、珊瑚の前飾り、高価の品物が数々出る。 「男が見てさえ悪....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
、二人の先に立って歩いている、女の持っている雪洞の火であった。紅裏を取り、表は白綸子、紅梅、水仙の刺繍をした打ち掛けをまとったその下から、緋縮緬に白梅の刺繍をし....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
眼を据えて見た。その正次の眼の前に、――だから正次の背後横に、髪は垂髪、衣裳は緋綸子、白に菊水の模様を染めた、裲襠を羽織った二十一二の、臈たけた美女が端坐してい....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ら発せられた声と見てよかろう。黒羽二重の紋服の上に、同じ紋付の羽織をはおり、白｜綸子の下着を襟からのぞかせ、白い絹の太紐を――それは羽織の紐なのであるが、胸もと....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ものと見えます。なぜというに、いま、樹立の中を出ますと、高縁の突端に薄汚れたが白綸子の大蒲団を敷込んで、柱を背中に、酒やけの胸はだけで、大胡坐を掻いたのは藪の中....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
愛吉に逢った夜で。余所ゆきを着ていた上衣だけ脱いで、そのまま寝床へ入った、緋の紋綸子の長襦袢のまま、手を伸ばして、……こりゃ先生だと、雪の腕、という処だ。 手....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
も、普通の人はみなこういう事をやるのでその習慣は地方に至る程一層甚しいです。 、綸子、繻子、モミ、唐縮緬、白地薄絹、絹糸、絹打紐、その他銀塊、薬種等も多く輸入さ....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
怪しむ者はなかった。 すべては好都合だった。まんまと百合子になりすまして、白｜綸子に黒の帯、素足に手拭をふきながしに被ったところはどう見ても替玉とは思えなかっ....