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「綺羅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

綺羅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
く添い遂げれば、世に生きている甲斐がある。いくら花魁の、太夫のと、うわべばかりに綺羅《きら》を飾っても、わたし達の身の果てはどう成り行くやら。仕合せに生まれた人....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
て法性寺の御堂《みどう》にあつまった。門前は人と車とで押し合うほどであった。その綺羅《きら》びやかな、そうして壮厳な仏事のありさまをよそながら拝もうとして、四方....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
夜の町のプロムナードの人種になって、特に銀座以外には見られぬ人種になって、上品で綺羅びやかな長蛇のような帯陣をなして流れて行く。 「やあ」 「よう!」 「うまく....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
かにして虫の声きこゆ。) 頼家 鎌倉は天下の覇府、大小名の武家小路、甍をならべて綺羅を競えど、それはうわべの栄えにて、うらはおそろしき罪の巷、悪魔の巣ぞ。人間の....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
墨染めの衣を着て貧しく暮らして来たのですからね。 僧一 そうですとも。私は他人の綺羅をうらやむ気はありません。私は心に目に見えぬ錦を着ていると信じていますから。....
ルバイヤート」より 著者:小川亮作
が、ついに宇宙の謎には達せず、 しばしたわごとしてやがてねむりこけた! 15綺羅星の空高くいる牛――金牛星、 地の底にはまた大地を担う牛*もいるし、 さあ、....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
合ってる。 翌日嵐山、金閣寺を見物して、クラシックの匂いを慕って奈良に回ったが綺羅粉黛人跡繁くして駄目であった。ただ大仏に対して何だか色のない尊い恋というよう....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
はこの上もなく派手な賑やかな所です。上は大名旗本から下は職人商人まで身分不相応に綺羅を張り、春は花見秋は観楓、昼は音曲夜は酒宴……競って遊楽に耽っております。山....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
上の娘さんの頃、秋の山遊びをかねた茸狩に連立った。男、女たちも大勢だった。茸狩に綺羅は要らないが、山深く分入るのではない。重箱を持参で茣蓙に毛氈を敷くのだから、....
黒百合」より 著者:泉鏡花
の室数を建て増したもので、桃色の窓懸を半ば絞った玄関|傍の応接所から、金々として綺羅びやかな飾附の、呼鈴、巻莨入、灰皿、額縁などが洩れて見える――あたかもその前....
善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
の上座へ着き、老女|楓、同じく松風、続いてズラリと順序を正し、老けたる者若き者、綺羅星のごとくに居溢れたので、その美しさ花に劣らず、物言うだけが優である。 「さ....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
男、背中を丸出しの女、二人とも揃って肥った体に宝石を鏤めて居る夫婦。 ――あまり綺羅びやかに最上級に洒落て居るので却って平凡に見える幾十組かが場の大部分を占めて....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
。貧乏咄をして小遣銭にも困るような泣言を能くいっていても、いつでもゾロリとした常綺羅で、困ってるような気振は少しもなかった。が、家を尋ねると、藤堂伯爵の小さな長....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
して着飾り出した。「これが資本だ、コンナ服装をしないと相手になってくれない」と常綺羅で押出し、学校以来疎縁となった同窓の実業家連と盛んに交際し初めて、随分|待合....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ってお経を読んで居るかのように思われる。 なぜなれば普通の時と違って本堂の内は綺羅錦繍で飾り付けられて居る。五色のシナ縮緬で捲立てられた柱もあれば、またある大....