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綺麗事
「綺麗事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
綺麗事の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幻談」より 著者:幸田露伴
ですから、客は上布《じょうふ》の着物を着ていても釣ることが出来ます訳で、まことに
綺麗事《きれいごと》に殿様らしく遣《や》っていられる釣です。そこで茶の好きな人は....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
はその詩人の悪魔主義にも影響されていた。行動にもそれが窺われた。 しかし庸三は
綺麗事で済まされないことも感じていたので、目を瞑るよりほかなかった。 小夜子は....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
チキチされちゃかえって困るな。」と顔を顰めて言う。「商売が商売だから、どうせそう
綺麗事に行きゃしない。」 「でも心持が悪いじゃありませんか。」と、お国は遠慮して....
「足迹」より 著者:徳田秋声
より、いっそ誰にでも出来る氷屋でも出せアいいに。氷屋で仕上げた人は随分あるぞえ。
綺麗事じゃ金は儲からない。」 「氷屋なぞは夏場だけのもんですッて。第一あんなもの....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
ってやるのを、キッカケに、新子に新しい着物を買おう、そうすれば自然でいいと、万事
綺麗事好みの前川らしい考えが、胸の中に浮んで来た。 「お腹とても空いているのです....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
の上、せいぜい三津五郎とさとらせたいというのだから、万事芝居がかりに、輪をかけた
綺麗事でゆく。どう見たって、ただの鮨売じゃない。 「そら、三津五郎が来た」 と....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
見ゆるではないかの。世事の憂いこと醜いこと、すべてを忘れて、一|刻でも半夜でも、
綺麗事につつまれて、さらりと屈託を捨てて来るのがあの遊廓でござりまするがの。――....
「河豚」より 著者:吉川英治
を半月ほど暮していた間、晩になると河豚をたのしんだが、味もよし、女中のあしらいも
綺麗事で、東京に近ごろ殖えたのとは比較にならない。白いキモと春菊の真っ青なのが焜....