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「綻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

綻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
本心を吐露するとすれば、古《いにし》えの管鮑《かんぽう》の交りと雖《いえど》も破《はたん》を生ぜずにはいなかったであろう。管鮑の交りは少時問わず、我我は皆多少....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
いばかりにして、例の裏座敷へ通しましたが、やがてその手足の創痕《きずあと》だの、《ほころ》びの切れた夏羽織だのに気がついたものと見えて、「どうしたんだい。その....
或る女」より 著者:有島武郎
の翌日から葉子はまたふだんのとおりに、いかにも足もとがあやうく見えながら少しも破《はたん》を示さず、ややもすれば他人の勝手になりそうでいて、よそからは決して動....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
……心着くと、おめしものも気恥しい、浴衣だが、うしろの縫めが、しかも、したたかびていたのである。 「ここもとは茅屋でも、田舎道ではありませんじゃ。尻端折……....
婦系図」より 著者:泉鏡花
て保管してあるんだから、例えば婿が多日月給に離れるような事があっても、たちまち破を生ずるごとき不面目は無い。 という円満な家庭になっているんだ。で先方の財産....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
を急ぐか、そのまま通る。 前帯をしゃんとした細腰を、廂にぶらさがるようにして、びた脇の下から、狂人の嘉吉は、きょろりと一目。 ふらふらと葭簀を離れて、早や....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
じゃあ、気咎めがしたと見えて、 (済みませんが、こっちから。) 裏へ廻わると、びた処があるので。……姉さんは科よく消えたが、こっちは自雷也の妖術にアリャアリ....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
で、御堂の裡を俯向いて、覗いて、 「お蝋を。」 二 そう云って、びて、袂の尖でやっと繋がる、ぐたりと下へ襲ねた、どくどく重そうな白絣の浴衣の溢....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
。――そうしますと、糸七さんは、その傍で、小さくなって。……」 お嬢さんの唇のびた微笑に、つい笑って、 「何の事ですか、私などには解りませんの、お嬢様は。」....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
姫はしばらくさし俯いて考え込んで居られましたが、その中次第にその堅い唇が少しづつびてまいりました。お話の前後をつづり合わせると、大体それは次ぎのような次第でご....
「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
も卓越した芸術家ではない。たとえば彼の作品中、絵画的効果を収むべき描写は、屡、破を来しているようである。こう云う傾向の存する限り、微細な効果の享楽家には如何な....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
の果てに決行されるこうした行為の裏面に、世間の人が極って探し求めるような大きな破は、一つとして述べられていない。かえってこの手記は人生のささやかな悲惨事の緩慢....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
て、中腰に膝を寄せた。寄せたその片褄が、ずるりと前下りに、前刻のままで、小袖幕のびから一重桜が――芝居の花道の路之助のは、ただこれよりも緋が燃えた――誘う風に....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
が多い。道中の心得に、新しく調えた懐中に半紙があった。 目の露したたり、口許もびそうな、写真を取って、思わず、四辺を見て半紙に包もうとした。 トタンに人気....
式部小路」より 著者:泉鏡花
がその住居と心着いた風である。 愛吉が、 「寄越ねえ、」 で差出した手首は、びた袖口をわずかに洩れたばかりであるが、肩の怒りよう、眼の配り、引手繰そうに見....