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綽
「綽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
綽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、己を、まあ、何だと思う。浅草|田畝に巣を持って、観音様へ羽を伸すから、隼の力と
綽名アされた、掏摸だよ、巾着切だよ。はははは、これからその気で附合いねえ、こう、....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
おとよさんは百姓の仕事は何でも上手で強い。にこにこしながら手も汚さず汗も出さず、
綽々として刈ってるが、四|把と五把との割合をもってより多く刈る。省作は歯ぎしりを....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
、ルンペンには勿体ないほどの知識を備えていたりする。要するに「深夜の市長」という
綽名(?)が、きっと深い素性をあらわしているのであろうが、これは誰がつけたものか....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
捨てた。 「それで和がりだ」と叫んで、自分の手を開けてみせたのは、「豆シャン」と
綽名のある美少年|園部壽一だった。少年といっても彼は大学の建築科二年だから、仲間....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
の一語も、聞き洩すまいと、呼吸を詰めた。 「信ずべき筋によれば」参謀の声は、余裕
綽々たるものがあった。「比律賓第四飛行聯隊の主力は、オロンガボオ軍港を脱出し、中....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
。この淵の無心な気持ちになっていれば世間がどう変りこっちにどう仕向けようと、余悠
綽々なのだ。ここのところをわが青海流では、 死屍水かかずしてよく浮く といって、....
「食魔」より 著者:岡本かの子
ついた子供に布団を重ねて掛けてやりながら、「すると、そのとき以外は、良人に蛍雪が
綽名に付けたその鼈のような動物の気持でいるのかしらん」と疑う。 鼈四郎は、煙草....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
町ではメスのことをメンという)つづけていうとタチウオのメン、つまりタチメンという
綽名がついたのである。 春木少年は、今ごろなぜ立花先生が起きたのであろうかとふ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
て私を※でしゃくった。 見ろい、イフヒムの奴を。知ってるか、「癇癪玉」ってんだ
綽名が――知ってるか彼奴を。 さすがに声が小さくなる。 イフヒムと云うのはコ....
「火薬船」より 著者:海野十三
命令でさあ」 といって、常日ごろ、ばかに年寄りじみたことをいうので、“お爺”と
綽名のある丸本水夫だが、すこし当惑の色が見える。 「なんだ、やっかいなことという....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
。戸川中尉が飛行将校にもってこいの細心で沈着な武人であるのに対し、六条の方はその
綽名からでも容易に察せられるごとく、満身これ戦闘力といったような感じのする頗る豪....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
「オイ、候補生。来襲した敵機というのはどこの飛行機だか、わかるかネ」K隊長は、
綽々たる余裕を示して候補生をからかった。 「はッ、アラスカの米国極東飛行隊でもな....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
まで出来ました。牝鶏はというと、足がばかに短いので 「ちんちくりん。」 と、いう
綽名を貰っていましたが、いい卵を生むので、これも女御主人から娘の様に可愛がられて....
「端午節」より 著者:井上紅梅
方玄
綽は近頃「大差ない」という言葉を愛用しほとんど口癖のようになった。それは口先ばか....
「人造物語」より 著者:海野十三
えないであろうと思う。 * * 幼いとき、小学校の「山羊」という
綽名のある校長さんから、面白いお伽噺をして貰ったが、その中で、最もよく覚えている....