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「綾子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

綾子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
ことに、先代の赤耀館主人であった私の亡兄丈太郎の妻、つまり私にとっては嫂にあたる綾子も、係累の少い一人娘だったのです。嫂には姪に当る梅田百合子というのが唯一の親....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
のは衣裳全体の長さから受ける娘らしい感じであった。卍くずしの紗綾形模様のついた白綾子なぞに比べると、彼の目にあるものはそれほど特色がきわだたないかわりに、いかに....
」より 著者:徳田秋声
少尉でいる時分に、○○大将のところへ出入していたものと見える。処が大将の孃さまの綾子さんというのが、この秋山少尉に目をつけたものなんだ。これで行く度に阿母さんが....
まぼろし」より 著者:国木田独歩
分まで待った。そして彼女を訪ねた。 懇親の間柄とて案内もなく客間に通って見ると綾子と春子とがいるばかりであった。文造はこの二人の頭をさすって、姉さんの病気は少....
握った手」より 著者:坂口安吾
松夫はちかごろ考えすぎるようであった。大学を卒業して就職できたら綾子と結婚しようと考える。以前はそうではなかった。かりそめの遊びの気持であったが....
貞操問答」より 著者:菊池寛
席に着いた。 近代的で、スポーツマン・タイプで、清秀で明るい感じのこの青年は、綾子夫人の母方の遠縁に当るという。夫人は、この青年を、彼女の「足下」にひざまずか....
地上」より 著者:島田清次郎
十年の生涯に秘められてある「埋れたる過去」が叫んだ。(十数年のむかし、自分の姉の綾子を、自分の亡夫から奪って行ったあの悪魔、天野め! そして彼奴は今また、冬子を....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
。 ……では、そのはなしをすることにしましょう。 実は、先日来、大隈未亡人|綾子刀自が御重体であると新聞紙上で承り、昔、お見知りの人のことで、蔭ながらお案じ....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ました。御親類つづきなのでしょうか、若い美しい御後室と幼い姫様とがお住いでした。綾子様、八重子様と申すのですが、皆おあや様、お八重様といいました。父が御診察に伺....
橋の上」より 著者:犬田卯
時間を遅く、あるいは早くしている彼女らだった。ことにその中の一番大きい子――秋野綾子は、さぶちゃんの――その年頃の恋人(?)だった。 ある日、さぶちゃんは母親....
ある恋の話」より 著者:菊池寛
す」 「まあ、それでよかった。もし、お祖母さんが、そんな役者に騙されでもしたら、綾子なんかはどうなっていたかも分らない」と、私はホッとしたように云いました。 「....
式部小路」より 著者:泉鏡花
その足袋、その脛、千鳥、菊、白が紺地にちらちらと、浮いて揺いでなお冴ゆる、緋の紋綾子の長襦袢。はらりとひらめく、八ツ口、裳、こぼれず、落ちず、香を留めて、小路を....
註文帳」より 著者:泉鏡花
風俗、その辺の若い者。双子の着物に白ッぽい唐桟の半纏、博多の帯、黒八丈の前垂、白綾子に菊唐草浮織の手巾を頸に巻いたが、向風に少々鼻下を赤うして、土手からたらたら....
日を愛しむ」より 著者:外村繁
母は既に床に就き、子供達はテレビの前にいるらしい。時時、一番年少である、女中の綾子の開け放しな笑声が聞こえて来る。 「昨夜までのように、ここで、一人で飲んでる....
蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
は昭和七年と書いてありますから、その時多分新郎の御木井武雄さんが二十七歳、新婦の綾子さんが二十二歳だったんですわね」 「新夫人はどちらから?」 「政友会の山科さ....