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綾錦
「綾錦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
綾錦の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
玉の冠を被ったよりは嬉しがるのを知らねえのか。傍の目からは筵と見えても、当人には
綾錦だ。亭主は、おい、親のものじゃねえんだよ。 己が言うのが嘘だと思ったら、お....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
て見とれていた。翌る日、髭そうろうの大尽は、かの五人の手下に言いふくめて、金銀|
綾錦のたぐいの重宝をおびただしく持参させ、かの土塀の家に遣し、お姫様を是非とも貰....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
れの材料からそれによって合成されうべき可能の圏内に独創機能を働かせて建築を構成し
綾錦《あやにしき》を織り成すものだとも言われないことはないのである。こういう意味....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
がき》はあとにして、早く中をあけて見せておくれよ」
金銀か、珊瑚《さんご》か、
綾錦《あやにしき》か――相当のものには相違ないと、お蘭どのもあんまり悪い気持はし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の方をながめます。 十六人の射手《いて》が今そこから馬場の中へ乗り込む光景は、
綾錦《あやにしき》に花を散らしたような美しさであります。その十六人は、いずれも優....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
上の小夜衣――衣小袖を幾つか重ねて送れという謎かと見た。それならば最と安いこと。
綾錦の装束なりとも七重八重かさねて仕立てさするは、十日か半月の間にもなることじゃ....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
われる。中は広いのに、ただ狭い一枚襖を開けると、どうです。歓喜天の廚子かと思う、
綾錦を積んだ堆い夜具に、ふっくりと埋まって、暖かさに乗出して、仰向けに寝ていたの....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
にさ。煮込んでも、味噌をつけても、浮世はその事だよ。俺もこの頃じゃ、大船|一艘、
綾錦でないまでも、加賀絹、能登羽二重という処を、船も、びいどろにして、金魚じゃな....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の方に長く足の所まで下って居る切布が実に立派な五色の絹である。それは金襴あるいは
綾錦等も使われて居る。着物は日本の僧侶の法衣のようなもので、花模様の置かれてある....