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「綿布〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

綿布の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:島木健作
胸から太股《ふともも》と全身にかけて皮膚を犯していた。汗をぬぐうために絶えず堅い綿布でごしごし肌をこするので強靱《きょうじん》さを失った太田の皮膚はすぐに赤くた....
「紋」」より 著者:黒島伝治
古い木綿布で眼隠しをした猫を手籠から出すとばあさんは、 「紋よ、われゃ、どこぞで飯を貰....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の元に帰りたいものだと書き残したのもこの人だ。亭主たる名称を継いだものでも、常は綿布、夏は布羽織、特別のおりには糸縞か上は紬までに定めて置いて、右より上の衣類等....
日常身辺の物理的諸問題」より 著者:寺田寅彦
。あの場合になぜ金属棒は松やにを着けた皮でしごき、ガラス棒だとアルコールを着けた綿布でこするか、この幼稚な疑問に対してふに落ちる説明をしてくれる教師はまれであろ....
日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
いてもいろいろなことが考えられる。菜食が発達したとほぼ同様な理由から植物性の麻布綿布が主要な資料になり、毛皮や毛織りが輸入品になった。綿布麻布が日本の気候に適し....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
目とあまり良からぬ実質との行き違いは、通商統制にも現われる(通商審議会)。対蘭印綿布輸出割当の件をめぐって、輸出業当事者と産業組合乃至紡績業者との抗争などが動機....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
式部官が次第書とつき合せてみると、もうお客はこれで終っている。きょうの御儀に日本綿布の外衣をそろえた、儀仗兵も休ませなくてはならない。さあ、腹も減ったし、羊も焼....
入梅」より 著者:久坂葉子
しながら、何んとかかんとか来たのだった。昔、やすく仕入れていた絵ざらさの材料や木綿布が役立って、始めはほそぼそと友達などに頼み、注文をとっていたが、それがだんだ....
女と帽子」より 著者:豊島与志雄
あなたは目を丸くしましたね。全く、会社の重役という柄じゃない。だが、合名会社で、綿布類をあつかう商売だと聞いてみれば、驚くに当りませんよ。驚いたのは、あの時のあ....
蔵の二階」より 著者:豊島与志雄
大切に保存している。 第一に、大小さまざまなぼろ布が、行李二つほどある。絹布、綿布、洋服地、毛布、などの切れ端で、かき廻すと、絵具箱をひっくり返したような色彩....
一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
氏の伴をして、はじめて北回帰線を越えカルカッタに上陸した。 印度だ。 頭被、綿布、Maharajah の国だ。僕は、象に乗り|蛇使いを見、Lingam の、....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
し、鉱業は、道具や機械を作る鉱物の量を増加する。製造工業は、繊維を絹布、毛織物、綿布に変じ、鉱物をあらゆる種類の機械に変化する。土木建築業は工場、鉄道を建設する....
余齢初旅」より 著者:上村松園
居のはてるまで、何時間でも待っているといった有様であった。化粧品でも、毛糸でも、綿布でもふんだんに店頭に積んである。 支那の芝居 上海のユダヤ....
飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
ぱりむしろのように織ったもの)を掛けるのだ。割に暖かいが、がさごそと、いや全く、綿布団とは大変な違いだ」 私は、岩手の山間の百姓達の生活が、生蕃人ほどの原始的....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
ドウいう咄の連続であったか忘れたが、例の通り清貧咄をして「黒くとも米の飯を食し、綿布でも綿の入った着物を着ていれば僕はそれで満足している」と得々としていった。沼....