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綿衣
「綿衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
綿衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
から獣肉《もゝんじい》を奢《おご》ったじゃアねえか」
甚「彼《あ》の肉を食うと
綿衣《どてら》一枚《いちめえ》違うというから半纒《はんてん》を質に置いてしまった....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一 慶応二年の夏は不順の陽気で、綿ぬきという四月にも
綿衣《わたいれ》をかさねてふるえている始末であったが、六月になってもとかく冷え勝....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い」 半七はすすみ寄って、そこに横たえてある男の死骸をのぞいた。男は手織り縞の
綿衣をきて、鉄色木綿の石持の羽織をかさねていた。履物はどうしてしまったのか、彼は....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
務衣を着て、裏山へ分け入った。ぼろぼろになった麻衣を着ているものもいた。袖のない
綿衣を着ている者もあった。雲水たちの顔が変っているように、銘々の作務衣も変ってい....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
それこれするうちに、北川は湯から帰って来た。背の高い頬骨の出た男で、手織りの
綿衣に絣の羽織を着ていた。話のさなかにけたたましく声をたてて笑う癖がある。石川や....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
だと答う、若き男小蛇を愍《あわれ》み種々押問答の末ようやく納得させ、自分の着たる
綿衣に替えて小蛇を受け、この蛇は何処《どこ》に在ったかと問いかの小池に持ち行き放....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
婦人達が着ていた七重八重の唐衣、藤原氏の紳士達がたいへん温いものだと珍重して着た
綿衣、それらは、皆荘園の女奴隷達の指先から生み出されたものなのであった。 藤原....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
》も一口《ひとくち》に答えかねる。なぜなれば衣服《きもの》にも単衣《ひとえ》あり
綿衣《わたいれ》あり、木綿《もめん》物もあれば絹織物もある。和服もあれば洋服もあ....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
お》り。昔は金瓶楼《きんべいろう》の小太夫《こだゆう》といわれた蘿月の恋女房は、
綿衣《ぬのこ》の襟元《えりもと》に手拭《てぬぐい》をかけ白粉焼《おしろいや》けの....
「三国志」より 著者:吉川英治
。 山野に出れば、寒気はことに烈しかろうと想像されるので、将士はみな戦袍の下に
綿衣を厚く着こんだ。 呂布も奥へはいって、妻の厳氏に、肌着や毛皮の胴服など、氷....