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緊縛
「緊縛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
緊縛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さようなら」より 著者:田中英光
、「さようなら」しようと思えば思うほど、ぼくはリエの肉体が不憫《ふびん》で彼女に
緊縛される。眠られぬ夜の苦しさが続き、ぼくはやがてアドルムという強力催眠剤の中毒....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
潮がジクリジクリと、噴きだしてきた。医師は直ちに、総監の右腕の付け根を肩の上から
緊縛させた。そしてピカピカ光る手術具をガチャリガチャリと音をさせながら、傷の手当....
「地球盗難」より 著者:海野十三
大隅学士ほど、未来を粗末にしない人物も、まず少いであろう。 彼は手と足とを
緊縛した皮帯の間から外すことに、なおも熱心だった。そのおかげか、まず右足が皮帯の....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
の不動様へ心願を掛けました処が、不動様が出てござらっしゃって、左の手で母親の腹ア
緊縛って、せつないと思って眼え覚めた、申子でゞもありますかえ、それから母親がおっ....
「俳諧瑣談」より 著者:寺田寅彦
。この本の脚注に、昔パルティア人が馬のいななくを防ぐためにそのしっぽをしっかりと
緊縛するという方法をとった。そうすると馬は尻尾の痛苦に辟易していななく元気がなく....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
た影を膨らませ、影をまた凹ませて、残酷に搦めた、さながら白身の窶れた女を、反接|
緊縛したに異ならぬ。 推察に難くない。いずれかの都合で、新しい糸塚のために、こ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に、天地の間《かん》に暗いことのない精神を持ちながら、天地を狭められたり、行動を
緊縛されたりするというのは、何のわけだか、自分で自分がわからない。ただその度毎に....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
とである。二晩や三晩で参る筈は無い屈強さと見ていたのが、寒さにこごえたか、針金の
緊縛で心臓でも痛めたか、脆《もろ》くも最期を遂げてしまった。 思えば猫の一生も....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
判れば、屍体が絶命前の強直状態をその儘持続したと云う事が確実になる。事実、珠数の
緊縛を解いて重心を定めたので、恰度祈祷中宛然の姿を保つ事が出来たのだ。おまけに、....
「鴨猟」より 著者:豊島与志雄
場所と、何の手掛りもない平面上と、どちらを選ぶであろうか。外科手術の場合、身体を
緊縛することは、消極的な一面に於ては、たとえ無意識的にせよ被手術者が苦痛に堪え得....
「故郷」より 著者:豊島与志雄
繋がれない自分自身を見出したからだ。人が憂欝になるのは、何物かに繋ぎ留られ、その
緊縛に圧倒されそうな時にである。宿りのない旅を続けて、何物にも繋がれない場合こそ....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
置いて、全然振動を、起させないようにしたのを打ったとしよう。そして、二度目にその
緊縛が解けたとしたら、凹みの戻った振動でもって、恰度そう云うような唸りが起りはし....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
に俘虜に成った時に、役に立ちますからね」 肥満したお鉄の豊かな肉に喰入る本縄の
緊縛も、身を悶えさせて、肩に風を切り、下腹に波を打たせている間に、見事に抜けて自....
「澪標」より 著者:外村繁
ことは、第三者が語るべきことではないようである。 高等学校へ入り、私は一応性の
緊縛から解放されたわけである。勿論、売淫制度のあることは知っている。しかし私はそ....
「一握の髪の毛」より 著者:田中貢太郎
事をしながら話した。章一は酒を飲んでいた。 うとうとしていた章一は、片頬に温な
緊縛を覚えたのでふと眼を開けた。艶消電燈のやわらかな明は、黒いねっとりと潤みを持....