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緊縮
「緊縮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
緊縮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仮装観桜会」より 著者:佐左木俊郎
その花を蕾として認めているようなものであった。 「そんなことを言ったって、一般に
緊縮の時代じゃないか。こんな時に、そりゃあ無理というもんだ」 前田工場主はそう....
「錯覚自我説」より 著者:辻潤
の如く遍融無碍の流動在である。ただその流動が長い間の惰性によって一点を中心として
緊縮せられたに過ぎぬ。死によらずんばこれ等何千万年の惰性を打砕して本然の微分流動....
「錯覚した小宇宙」より 著者:辻潤
動して融通無碍だというのである。唯その流動が永い間の惰性によって一点を中心として
緊縮されているに過ぎないというのである。故に「死によらずんば之等の何千万年の惰性....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
いてはならぬ生理現象があるからだよ。それはマイネルト等の説だが、末端動脈が烈しく
緊縮して胸部に圧迫感が起るので、呼息を肺臓一杯に満たして不安定な感覚を除いてから....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
! 南部センベイは安いんだ! 身体を除けながら、上へ怒鳴っている。 ――まず
緊縮! 文句云うな。手前一人片付けば、サバ/\するァ! ハンドルを握っていた職....
「縮図」より 著者:徳田秋声
ていた。放漫な財政の破綻もあって、財界に恐慌が襲い来たり、時の政治家によって財政
緊縮が叫ばれ、国防費がひどく切り詰められた。均平も学校を卒業するとすぐ、地方庁に....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
」とも言わないので、それも気になった。 ちょうど政友会の放漫政策の後を享けて、
緊縮政策の浜口内閣の出現した時であった。ふと庸三の耳に総理大臣の放送が入って来た....
「破片」より 著者:寺田寅彦
事実はどうだかたしかでない。 とにかく、その突然の変化の起こったのは浜口内閣の
緊縮政策の高潮に達したころであったので、この政策と切符の紙質の変化とになんらかの....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
的ではない。結句の、「棚無し小舟」の如き、四三調の名詞止めのあたりは、すっきりと
緊縮させる手法である。 ○ いざ子どもはやく日本へ大伴の御....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
とは、おおよそ見当がつくことと思う。殊に一代の名臣ではあったが、その消極的政策と
緊縮、節約主義とによって、浮世を暮らしにくく窮屈にした、白河楽翁|事松平越中守を....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
だろう。つまりその凡てが、異常な恐怖心理の産物であって、血管や腺の末管が、急激に
緊縮してしまうからなんだ。然し、またそうかと云って、その間浄善が失神していたので....
「地上」より 著者:島田清次郎
校門を出るとき平一郎の背後で始業の鐘の音が冷徹な朝に響きわたって聞えた。灼熱し
緊縮した頭脳の惑乱へその鐘の音は、ひとりで考えろ、深く、心の根元がどっしり落着く....
「増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
事情が伴ったのであろうが、主なる原因は当時幕府当局が新たに方針を定めた財政上の大
緊縮政策によったためであろう。吉宗は、生前遺命して自分の霊を上野の五代廟に合祀さ....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
だが、抜けるどころか、一年ならずして親父には死なれ、待望の米価は、ことに浜口
緊縮内閣の出現によって一俵七円に下り、繭のごときは一貫二円という大下落で、この地....
「越年」より 著者:岡本かの子
それから二人は再び堂島探しに望みをつないで暮れの銀座の夜を縫って歩いた。事変下の
緊縮した歳暮はそれだけに成るべく無駄を省いて、より効果的にしようとする人々の切羽....