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総二階
「総二階〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
総二階の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「今日の耳目」より 著者:宮本百合子
道に溢れて並んでいる。 そういう横丁の出はずれに一軒しもたやがある。門構えで、
総二階で、ぽつんとそういう界隈に一軒あるしもたやは何となし目立つばかりでなく、ど....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
番頭のそうした処は、旅館の閑散をも表示する……背後に雑木山を控えた、鍵の手|形の
総二階に、あかりの点いたのは、三人の客が、出掛けに障子を閉めた、その角座敷ばかり....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
二の衣、色を勝った南地の芸妓が、揃って、一人ずつ皆床几に掛かる。 台傘の朱は、
総二階一面軒ごとの緋の毛氈に、色|映交わして、千本植えたる桜の梢、廊の空に咲かか....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
入った。それに家が古いといっても、建てかたは頑丈で、土間は馬鹿に広いし、おまけに
総二階だ。二階に天井がなく、煤けた藁屋根の裏がまる見えなのが欠点だが、その代り、....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
それよりほかにはないんです。」 「その部屋は広いんだろう。」 「ええ、一間きりの
総二階ですから、ばかに広いんです。しかし、天井も何もない物置みたいなところです。....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
の家は旧|札差の作えた家で、間口が四|間に二間半の袖蔵が付いており、奥行は十間、
総二階という建物で、木口もよろしく立派な建物であったが、一時牛肉屋になっていたの....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
荘《シャレエ》を一軒ご周旋しようじゃありませんか。『極楽荘』っていうんですがね。
総二階に車寄せなんかついて堂々たるもんですよ。生憎《あいにく》手元に写真がないん....
「城」より 著者:カフカフランツ
接していた。内庭の側のここでは、建物は前面より高いように見えた。少なくとも二階は
総二階につくられていて、前面よりもりっぱな外観をもっている。というのは、二階は目....