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「総勘定〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

総勘定の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
たには思えませんかねえ。僕にはそばで見ているだけでも恐ろしいがなあ。人にはいつか総勘定をしなければならない時が来るんだ。いくら借りになっていてもびくともしないと....
中味と形式」より 著者:夏目漱石
あります。中味は込入っていて眼がちらちらするだけだからせめて締括《しめくく》った総勘定《そうかんじょう》だけ知りたいと云うなら、まだ穏当な点もあるが、どんな動物....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
る刹那《せつな》は全く、ありとあらゆる記憶、あらゆる感じ、それらのものが、一度に総勘定でもするように頭に浮かんで来た。そして、『十八ではまだ死ぬのに、二年早すぎ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、ひどく面倒なことになりました。 万次郎が丸多を嚇かして取った二百両は、あとで総勘定をするという約束で、ひと先ず重兵衛が預かっていたんですが、丸多の主人が死ん....
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
ルタにちがいなき三角形のさまざまなものを見出さねばならなかった。私は時子の呪いの総勘定日が近づいたことを知った。いや其の上にそれからというものは時子の顔が窓の外....
浮動する地価」より 著者:黒島伝治
意義であり、朴訥と、遅鈍と、阿呆の歴史であった、と感じたのに違いない。彼の一代の総勘定はすんでしまった。そして残ったものは零である。 彼は、死んだ。その一生の....
佐竹の原へ大仏をこしらえたはなし」より 著者:高村光雲
各自の所持品を飾っても間に合わせるという考えです。それで何から何まで一切合切での総勘定が三百円で立派にこの仕事は出来上がるというのでありました。 「よろしい。三....
時事雑感」より 著者:寺田寅彦
らないと思った。この「おもしろいな」が数千年の間にわれらの祖先が受けて来た試練の総勘定であるかもしれない。そのおかげで帝都の復興が立派にできて、そうして七年後の....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
版されることになった。この書物こそは、僕の十年来の思索に於ける収穫で詩論としての総勘定と言うべきものだ。もとより非力にして無能、才分まずしき僕の著作である故に、....
水の女」より 著者:折口信夫
園の両祭会・夏神楽までも籠めて、最後に大祓え・盂蘭盆までに跨っている。夏の行事の総勘定のような祭りである。 柳田先生の言われたように、卯月八日前後の花祭りは、....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
こした。それはおれが正式の絶縁状をたたきつけて、この後二度と再び無心をしない、『総勘定』を済ましたことにするからと言ってやった結果なんだ。当時おれにはなんにもわ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
対をばかりなしていた。なりたくなかったものになってしまった、というのが彼の生活の総勘定であった。 彼は少しも寝なかった。朝の六時ごろ(まだ暗かった)、ゴットフ....
地上」より 著者:島田清次郎
囲から自分を救おうための緊張と努力と苦しい涙、仕方のない屈辱、急流のように生涯の総勘定が体験されていった。そして思想の断れ目毎に見える彼はもとのように静かで動か....
可能性の文学」より 著者:織田作之助
境に憧れ、年輪的な人間完成、いや、渋くさびた老枯を目標に生活し、そしてその生活の総勘定をありのままに書くことを文学だと思っているのである。しかも、この総勘定はそ....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
各自の所持品を飾っても間に合わせるという考えです。それで何から何まで一切合切での総勘定が三百円で立派にこの仕事は出来上がるというのでありました。 「よろしい。三....