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「総掛り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

総掛りの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
芽生」より 著者:島崎藤村
。 「母さん、犬殺しよ」 こうお菊は母の傍へ来て言った。近所の「叔父さん」達が総掛りで何故庭の内を馳《か》け廻るか、彼方是方《あちこち》から飛んで来た犬が何故....
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
剛石《ダイヤモンド》を受け取りましたから、美留藻はなおも念を押して、家《うち》中総掛りで屹度間に合わせろと命じて、又馬を飛ばせました。それから帽子屋へ参りまして....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
の梢を伝ふ如き振舞に候へば三田村まで御陣替あらば必ずその手当を仕り候ふべし。若し総掛りに軍し給はゞ味方難渋仕り候はんか、今|暫時敵の様を御覧ありて然るべきかと申....
一つの出来事」より 著者:宮本百合子
劇的想像なのである。 彼等は確かに金嚢とキリストとを引換えた。けれども、彼等が総掛りで殺しにかかっても、なお殺しきれなかったキリスト自身を生んだ民族である。私....
斜坑」より 著者:夢野久作
ヤット駈付けた仕繰夫の源次が先に立って硬炭や炭車の代りに坑木の支柱を入れながら、総掛りで福太郎を掘出してみると、まだ息があるというのでそのまま、程近い福太郎の納....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
てきた。 と云うのは、小六にまだ、体温が残っているのを発見したことで、それから総掛りの人工呼吸の結果、この老侏儒はようやく蘇生することができた。 すると、な....
烏の北斗七星」より 著者:宮沢賢治
か》んで空の天井《てんじょう》の向う側へ持って行こうとします。烏の義勇艦隊はもう総掛りです。みんな急いで黒い股引《ももひき》をはいて一生けん命宙をかけめぐります....
魔都」より 著者:久生十蘭
からなんだ。見給え、いよいよもって抜き差しならんことになったじゃないか。われわれ総掛りでこんな小刀細工をしたということが判ったら、政府の面目は丸潰れだあ。また、....
早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
が起る。三次、女を引いて楽々岸へ帰った。 岸に立って舟よ綱よと騒いでいた連中、総掛りで引き上げてみると、水を多量に呑んだか、なにしろ寒中のことだから耐らない。....
三国志」より 著者:吉川英治
ばしたので、 「やっ、こいつが」と、賊の小方たちは、劉備もそっちのけにして、彼へ総掛りになった。 「やい張卒、なんで貴様は、味方の李小方を投げおったか。また、お....
四つの都」より 著者:織田作之助
か、お父っちゃん」(喜ぶ) 鶴三「葉子、お前も行くんだ、一緒に名古屋へ行って一家総掛りで働こう……善は急げだ、明日発とう」 葉子「明日? 明日は中瀬古さんが来や....