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総立ち
「総立ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
総立ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
ら、産婦の腕は私の胸を押しつぶすだろうと思う程だった。そこにいる人々の心は思わず
総立ちになった。医師と産婆は場所を忘れたように大きな声で産婦を励ました。
ふと....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
陽が西を見つけ出したようなその喜び‥‥船の中の人たちは思わず足|爪立てんばかりに
総立ちになった。人々の心までが
総立ちになった。 「峠が見えたぞ‥‥北に取れや舵を....
「妖術」より 著者:泉鏡花
浅草へ行くと、雷門が、鳴出したほどなその騒動。 どさどさ打まけるように雪崩れて
総立ちに電車を出る、乗合のあわただしさより、仲見世は、どっと音のするばかり、一面....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
、昨夜の彼の醜態を思い出した途端に、およそ滑稽至極なものに見えた。――議席は満場
総立ちとなり、怒号と拍手と口笛と足踏みとで、まるで鼎の沸くような騒ぎだった。この....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
、朱塗の仁王の如く物凄く突っ立った陽吉が、声を限りに絶叫したとき、浴客ははじめて
総立ちになって振返った。由蔵は垢摺りを持ったまま呆然と案山子のように突っ立ってい....
「赤外線男」より 著者:海野十三
!」 熊岡警官の怒号と諸共、黒インバネスを着た一人の男が転げこんできた。署員は
総立ちになった。「何だ、何だッ」 昨夜とは違った当直の前にその男はひき据えられ....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
砲手、死んだ筈の小森安吉だった。 二 酒場の中では、人々が
総立ちになった。 「お前の、亭主じゃないか」 丸辰が、すっかり酔のさめた調子で....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
決して松茸などと呼び捨てにはなりません……が見えるというと、問屋場の役人も人足も
総立ちになって出迎いをする。いや、今日からかんがえると、まるで嘘のようです。松茸....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
見入っていた――。 花活《はないけ》の中 ピストルの発見は、検察官一同を
総立ち同様にまで昂奮せしめる力があった。 中にも、最も衝動を受けたのは主任警部....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
っては済まぬ。これだけは夜一夜さがせ、と中に居た、酒のみの年寄が苦り切ったので、
総立ちになりました。 これは、私だって気味が悪かったんです。」 僧はただ目で....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
が、この大建築を忽ち震い始め、ぎっしりと詰まった五千人の観客が、悲鳴を上げながら
総立ちになった。 然し、その数瞬後には、また夢から醒めたような顔になって、一度....
「父の怪談」より 著者:岡本綺堂
わせた。 こうなると、天井の裏に何者かがひそんでいるらしく思われるので、一座は
総立ちになって天井の板をめくり始めた。父も一緒に手伝った。しかもそれはやはり不成....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
すべて、息を吐く隙がない。息を吐く隙がありません。 土俵が壊れたような、相撲の
総立ちに、茶屋の表も幟を黒くした群衆でしょう。雪は降りかかって来ませんが、お七が....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
。 ○七月一日、歌舞伎座にて仏国人の魔術を興行。その技術あまりに拙しとて、観客は
総立ちになりて喧騒をきわめ、結局一夜かぎりにて中止となる。 ○八月十一日、落語家....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
た。 やがて、汽車はレールの上を引きずられるような重い音を立てて停った。乗客は
総立ちとなり、車内は騒然とした。真暗な外を透し、事故を知ろうとする顔が、窓に重っ....