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「総領〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

総領の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
手は誰がなったな?」 「御側役《おそばやく》平田喜太夫殿《ひらたきだいふどの》の総領《そうりょう》、多門《たもん》と申すものでございました。」 「その試合に数馬....
高野聖」より 著者:泉鏡花
ばたけ》にかけがえのない、稲が腐《くさ》っては、餓死《うえじに》でござりまする、総領の私《わし》は、一番の働手《はたらきて》、こうしてはおられませぬから、と辞《....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
わじゅず》を掛けた五十格好の婆《ばばあ》が背後向《うしろむき》に坐ったのが、その総領《そうりょう》の娘である。 不沙汰《ぶさた》見舞に来ていたろう。この婆《ば....
婦系図」より 著者:泉鏡花
情があって、あわれが深く、趣が浅いのである。 河野病院長医学士の内室、河野家の総領娘、道子の俤はそれであった。 どの姉妹も活々して、派手に花やかで、日の光に....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
の慄えを帯びていたのだった。 「本日午後五時半、上海市の共同|租界内で、我が滝本総領事が○国人の一団により、惨殺されましたお話であります。 兼ねて租界管理に関....
自叙伝」より 著者:大杉栄
つもりだが、文学というのだけはもう一度考え直して見てくれ。お前も七、八人の兄弟の総領なんだからな、医科とか工科とかの将来の確実なものなら、大学へでもやってやるが....
食魔」より 著者:岡本かの子
ながら彼は未だ嘗て尊敬というものをされたことがない。大寺に生れ、幼時だけにしろ、総領息子という格に立てられた経験のある、旧舗の娘として母の持てる気位を伝えている....
地獄の使者」より 著者:海野十三
昨夜から今朝までの私の行状ですな。それなら至極簡単ですよ。昨夜は東京クラブで君島総領事の歓送会がありましてね、ご存じでしょうが君島君は学校の先輩でして……それで....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
て来た一人は彼の真正面に向っていた。これも阿Qの大嫌いの一人で、すなわち錢太爺の総領息子だ。彼は以前城内の耶蘇学校に通学していたが、なぜかしらんまた日本へ行った....
あのころ」より 著者:上村松園
夏は帷子、冬はお召などを売る店として京都では一流だったそうです。 この貞八が総領息子に麩屋町六角に質店をひらかせましたが、三年目には蔵の中に品物がいっぱいに....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
嫌いだ。」 「ああだもの。」 「いささか過激になったがね。……手紙の様子じゃあ、総領の娘というのが、此地で縁着いたそうだから、その新婦か、またその新郎なんのッて....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
家は歴とした豪農である。)その分家のやはり内田という農家に三人の男の子が生れた。総領は児供の時から胆略があって、草深い田舎で田の草を取って老朽ちる器でなかったか....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
支店長松平市三郎氏を訪い、杯をふくみ話を交ゆること約一時間にして、領事館に移り、総領事代理瀬川浅之進氏に面会す。五時乗船、驟雨ようやく晴る。領事館書記相原庫五郎....
恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
の。兄さまと二人分お父様のお世話をするんだと私には申しておられますが、それだけに総領の一雄の不行届きが目に立ってね、六日も、七日も、まあ、どこをうろついているこ....
機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
人の地位も本名も云うことは出来ません。従って大使館であるか公使館であるかまたは、総領事館であるかそれはすべてあなたの御想像に任せます。しかし名だけは仮に宮城野総....