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緑玉
「緑玉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
緑玉の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
の時の苔の緑は如何《いか》なる種類の緑よりも鮮《あざや》かで生気がある。あだかも
緑玉を砕いて棄《す》てたようである。またあだかも印象派の画布《カンバス》を見るよ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
折竹の顔色がみるみる間に変ってゆく。 「オヤ、この氷罅のなかは、青い光じゃない。
緑玉色をだすのは、海氷じゃないか」 普通陸地の氷罅は、内部が美麗な青い光に染ま....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、ある時は其面に紅葉を泛べ或時は底深く日影金糸を垂るゝ山川の明るい淵の練った様な
緑玉、盛り上り揺り下ぐる岩蔭の波の下に咲く海アネモネの褪紅、緋天鵞絨を欺く緋薔薇....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
空の碧に映りたり。窓近くさし出でたる一枝は、枝の武骨なるに似ず、日光のさすままに
緑玉、碧玉、琥珀さまざまの色に透きつ幽めるその葉の間々に、肩総そのままの花ゆらゆ....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
にちょいと拇指と人さし指との先につまんで、日光に透し、キラキラと燦めかせる紅玉や
緑玉石、大粒な黄玉などは、囲りの建物の粗い石の柱、重い迫持と対照し、一層華やかに....
「一つの出来事」より 著者:宮本百合子
道に面した部屋部屋には、すぐ眼の前に聳え立った古い楡《エルム》の並木越しに、
緑玉のような日光が差しこむ。湖に向った部屋部屋には木々のさわめきと、波の光りと、....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
返る調子に、くるりとさらったので、彼が云う様に憐れな甲虫は水に陥って、油をかけた
緑玉の様な雙の翊を無上に振い動かしながら、絶大な海の力に対して、余り悲惨な抵抗を....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
みんな衣裳を持って来ると、すっと巻いて、袖を開く。裾を浮かすと、紅玉に乳が透き、
緑玉に股が映る、金剛石に肩が輝く。薄紅い影、青い隈取り、水晶のような可愛い目、珊....
「この夏」より 著者:宮本百合子
の横溢の下で、樹々の緑葉の豊富な燦きかたと云ったら! どんな純粋な油絵具も、その
緑玉色、金色は真似られない、実に燃ゆる自然だ。うっとり見ていると肉体がいつの間に....
「青春」より 著者:宮本百合子
母の家の裏口の小溝の傍に一本杏の樹があった。花も実もつけない若木であったが柔かい
緑玉色の円みを帯びた葉はゆたかに繁っていた。夏の嵐の或る昼間、ひょっと外へ出てそ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
と、恐るべき不敬なことを言ってしまいました。 彼女の眼はふたたび燃えはじめて、
緑玉のように光りました。 「本当でございますか。神様を愛するほどにわたしを愛して....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
るや筆にも言葉には尽くせません。螺鈿の箱に入れた土耳古石を捧げて歩む少女の一群、
緑玉髄を冠に着けたる年若き騎士の一団。司祭の頭には黄金の冠あり。……御厨の前の幕....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
、使う人の勝手で異議はない。灰皿にも用いよう。が希くば、竜涎、蘆薈、留奇の名香。
緑玉、真珠、紅玉を装らせたい。某国――公使の、その一品を贈ものに使ってから、相伝....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
両端の締括りにしてあるです。
それからその真珠の紐の真中には大真珠あるいは瑜(
緑玉)を入れて飾りにしてある。で頭の頂には高価な瑜、珊瑚珠、真珠等で飾られてある....