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緑葉
「緑葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
緑葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「岩石の間」より 著者:島崎藤村
、大尉と一緒に松林の多い谷間の方へ長大な体躯《からだ》を運んで行った。 谷々は
緑葉に包まれていた。二人は高い崖《がけ》の下道に添うて、耕地のある岡の上へ出た。....
「並木」より 著者:島崎藤村
が旧《ふる》いものに代ろうとしている。八月の日の光は窓の外に満ちて、家々の屋根と
緑葉《みどりは》とに映《うつ》り輝いて、この東京の都を壮んに燃えるように見せた。....
「新生」より 著者:島崎藤村
を仏国中部の田舎《いなか》あたりで見て来た妙に乾燥した空気や、牛羊の多い牧場や、
緑葉の間から見える赤い瓦屋根《かわらやね》の農家なぞに思い比べて行った。
大阪....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
していなかった。茄子畑があると思えば、すぐ隣に豌豆の畑があった。西洋種の瓜の膚が
緑葉の鱗の間から赤剥けになって覗いていた。畦の玉蜀黍の一列で小さく仕切られている....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
がする。あの土のにおいを嗅ぐような気がする。私がつぎつぎに公けにした「破戒」、「
緑葉集」、それから「藤村集」と「家」の一部、最近の短篇なぞ、私の書いたものをよく....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
カとルナパークと運動会の酒乱と女給と芸妓と温泉の交響楽を現しつつある。 妖気も
緑葉も、珍鳥も、神様も、人間の目算にかかっては堪まらない。彼らは一つ向うの山々へ....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
太古にはかくやらんと思われたり。殊に此地は水清く、南に平原ありて沙地なり。北には
緑葉の密に針葉樹多く、其奥に高山ありて、為めに小虫は少し。 十七日、雨ふるも強て....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
しなければならないだろう) で、茅野雄は四方を見た。 六月の山中の美しさは、
緑葉と花木とに装われて、類い少なく見事であった。椎の花が咲いている。石斛の花が咲....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
「証人」として福沢諭吉を立て、当日は自宅の門前に「俗ニ西洋飾リノ門松ト詠フル如ク
緑葉ヲ以テ柱ヲ飾リ」、つまりアーチをこしらえて、国旗を立て、提灯を列ね、「……今....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
楽しみがなくなってしまうです。折から野原は一時に青草で満たされ、そうしてその間に
緑葉|菁々と生い茂るのであるから、人の心も何となく長閑になって野外の散歩を試みず....
「三人の訪問者」より 著者:島崎藤村
様子はすこしも見えない。あの椿の樹を御覧と「冬」が私に言った。日を受けて光る冬の
緑葉には言うに言われぬかがやきがあって、密集した葉と葉の間からは大きな蕾が顔を出....
「西航日録」より 著者:井上円了
ることおよそ里ばかりの山麓にあり。山の形状はやや、わが京都の東山に接する趣あり。
緑葉の森々たる、紅花の爛々たるは、あたかもわが春夏の交に似たり。ときに拙作をもっ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
む。ことに目下三冬の節に当たるにもかかわらず、その気候は台湾南部の冬期と同じく、
緑葉紅花いたるところに満つ。なかんずく猩々木の各所に繁生して、霜後の楓葉よりも赤....
「女房ども」より 著者:神西清
とき、私ははっとしました。――明日は五旬節だ、だのになぜ彼らの家では、門や垣根を
緑葉で飾らないのだろう? こりゃ唯事ではないぞ。……そこで行って見ました。見ると....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
地を利用してのこの新しい商売は、毘沙門様にとっては、恰も前庭の植込同様、春夏秋冬
緑葉青々たる一小樹林を繁らして、一方境内の風致を添えながら兼ねて金儲けになるとい....