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緑野
「緑野〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
緑野の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旅日記から」より 著者:寺田寅彦
シュワルツワルドを遠くに見て、ライン地方の低地を過ぎて行くのである。至るところの
緑野にポプラや楊の並み木がある。日が暮れかかって、平野の果てに入りかかった夕陽は....
「軽井沢」より 著者:寺田寅彦
ルフをやっている人はみんな大貴族か大金持ちのように思われる。垣根ただ一重の内側の
緑野は、自分らとは生涯なんの因縁もない別の世界のような気がする。しかしもしかこれ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
感じられる。ココナッツの森を越すと、陽にたぎっている水田の展望だ。玉突台のような
緑野の緩斜面だ。そこここに藁葺きの小屋がある。花壇のなかに微笑して建っている。マ....
「小春」より 著者:国木田独歩
であった。なるほど七年は経過した。しかし自分の眼底にはかの地の山岳、河流、渓谷、
緑野、森林ことごとく鮮明に残っていて、わが故郷の風物よりも幾倍の色彩を放っている....
「わかれ」より 著者:国木田独歩
れば光景瞬間に変じ、河幅急に広まりぬ。底は一面の白砂に水紋落ちて綾をなし、両岸は
緑野低く春草煙り、森林遠くこれを囲みたり。岸に一人の美わしき少女たたずみてこなた....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
。少なくともそこにはかわいた、煩鎖な概念的理窟や、腐儒的御用的講話や、すべて生の
緑野から遊離した死骸のようなものはない。しかし文芸はその約束として個々の体験と事....
「三国志」より 著者:吉川英治
ると、寄手の陣頭より、おうと答えて、劉玄徳、左右に関羽、張飛をしたがえて、白馬を
緑野の中央へすすめて来た。 「推参なり、野鼠の将」 玄徳は、賊将程遠志の前に駒....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
れは帰りの楽しみにして置こう。 旭ヶ岡の樺太神社から瞰下した豊原の夜景はまるで
緑野の中の正しい灯の碁盤目であった。 私は南国人だ。北方の陰暗、深刻、そうした....