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緒
「緒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
緒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
六
うちへ帰ってみると、うす暗い玄関の沓脱《くつぬ》ぎの上に、見慣れたばら
緒の雪駄《せった》が一足のっている。馬琴はそれを見ると、すぐにその客ののっぺりし....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
、素朴《そぼく》な男女の一群《ひとむれ》だった。彼等は皆|頸《くび》のまわりに、
緒《お》にぬいた玉を飾りながら、愉快そうに笑い興じていた。内陣に群がった無数の鶏....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
に、日和下駄《ひよりげた》をはいているのに心づいた。しかもその日和下駄は左の前鼻
緒《まえばなお》がゆるんでいた。自分は何だかこの鼻
緒が切れると、子供の命も終りそ....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
独鈷の前にちゃんと着物を袖《そで》だたみにし、遺書は側《そば》の下駄《げた》の鼻
緒《はなお》に括《くく》りつけてあったと言うことです。何しろ死体は裸のまま、温泉....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
んだ時のような、言いようのないさびしさを感ずるとともに、自分の心の中にもまた、情
緒の水のささやきが、靄の底を流れる大川の水と同じ旋律をうたっているような気がせず....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
はお前の顔がだんだん若くなってゆくのが見える。
第三の声 (静に)夜明だ。己と一
緒に大きな世界へ来るがいい。
黎明《れいめい》の光の中に黒い覆面をした男とAと....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
。ただ日朗上人《にちろうしょうにん》の御木像があるとか云う、相応《そうおう》に由
緒《ゆいしょ》のある寺だそうです。その寺の門前に、明治二十二年の秋、男の子が一人....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
震《みぶるい》をすると、すぐに馬を急がせ出した。ちょうど当り出した薄日の光に、飾
緒《かざりお》の金《きん》をきらめかせながら。
三 陣中の芝居
....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
ょに、神信心を始めたではないか? それも熊野《くまの》とか王子《おうじ》とか、由
緒《ゆいしょ》のある神を拝むのではない。この島の火山には鎮護《ちんご》のためか、....
「百合」より 著者:芥川竜之介
内に、母の藁草履《わらぞうり》へ足をかけた。藁草履はじっとり湿《しめ》った上、鼻
緒《はなお》も好《い》い加減|緩《ゆる》んでいた。
「良平! これ! 御飯を食べ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
たる長文の返事になっていた時なので、 「サー・デビーが英国を出立する前、下僕が一
緒に行くことを断った。時がないので、代りをがある。」 「しかしサー・デビーは、そ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
、さもなければ、片眼で先生のほうを見ながら、たくみに本のかげにかくれてこそこそ内
緒話をしている。教室全体がしんとしているのに、ひそかにぶつぶついう声がみなぎって....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
き殺人の下手人となるのだ。 十月二十五日―― 釣師殺しは世に知れわたった。一
緒に釣に出かけた被害者の甥が下手人とされた。 十月二十六日―― 予審判事は甥....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
の拾うんだもの、碌なものでなかべいになあ!」 と太郎右衛門は附け足して、多助と一
緒に少し急いで坂を下りて行きました。 坂の下の方では、伊作はさも、もどかしそう....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
)従って僕は講談を知るために大抵今村次郎の速記本によった。しかし落語は家族達と一
緒に相生町の広瀬だの米沢町(日本橋区)の立花家だのへ聞きに行ったものである。殊に....