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「線条〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

線条の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蘭学事始」より 著者:菊池寛
っ先に切られていく骨の一つも、筋の一つも、肉の間に網のごとく走っている白い奇怪な線条も、白く浮き上っている脂肪も、びろびろと胸郭いっぱいに気味悪く広がっている肺....
日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
ついているため、水の流れた痕《あと》も、雪の辷《すべ》った筋道も、鮮やかな美しい線条や斑紋を織り成す、富士の八百九沢に見らるる大日沢であるとか、桜沢であるとかい....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
い傷であって、両側ともほぼ直径一寸ほどの円形を作っていて、その円の周囲には、短い線条が百足の足のような形で群生している。創口には、黄ばんだ血清が滲み出ているのみ....
踊る線条」より 著者:寺田寅彦
フィッシンガー作「踊る線条」と題するよほど変わった映画の試写をするからぜひ見に来ないかとI氏から勧めら....
映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
注意してもよいものではないかと思われる。 ドイツのフィッシンガーの作った「踊る線条」という「問題の映画」がある。この映画では光の線条が映写幕上で音楽に合わせて....
糸車」より 著者:寺田寅彦
であった。「みくり」を通過して平たくひしゃげた綿の断片には種子の皮の色素が薄紫の線条となってほのかに付着していたと思う。 こうして種子を除いた綿を集めて綿打ち....
文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
之を要するに二種を出でず。即ち形態は人目を怡ましむる者にして其数万殊なるも竟には線条の相錯われると色釆の相雑われるとに外ならず。声音は人耳も怡ましむる者にして其....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
る。 日本のエロチックな浮世絵の裸体とか足にしてもがもちろん影がないので、その線条の赴くところにしたがって観音は自然を空想しながらよろしく当てはめて行く。その....
アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
味を帯び、髪は黒に灰色交じりの梳らない団塊である。額には皺、眼のまわりには疲労の線条を印している。しかし眼それ自身は磁石のように牽き付ける眼である。それは夢を見....
伯林の落葉」より 著者:岡本かの子
くずれ落ちる落葉を短いステッキで縦横に截り乍ら歩いて居た。しゃっ、しゃっ、落葉の線条を截る男の子の杖の音が、彼の頭のしんの苦痛の塊に気持ちよく沁みた。日曜の午前....
発明小僧」より 著者:海野十三
ム」条ノ両端ヲ挿入シテ、木|螺子(9)(9)ニテ締着シ、支持桿ニ穴ヲ穿チ、該穴ニ線条(7)ヲ刻セル中空廻転子(6)ヲ緩通シタル軸(5)ノ両端ヲ押込ミ、両支持桿(....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
容と技術とを持った優れた仏像は無い。その晩唐様式の影響というのは唯わずかに衣襞の線条の形式や全体の様式の形骸にとどまっていて、その生命とするところは晩唐のだらけ....
ねじくり博士」より 著者:幸田露伴
矢は螺線になッて飛ぶから真直に行くのだよ。鉄砲の玉も螺旋して飛ぶのサ。筒の中に螺線条をこの頃施こすのもこの規則に従うのサ。鳶の尾は螺線を空中に描いて飛ぶのサ。魚....
浮世絵画家の肉筆」より 著者:上村松園
びとした、繊巧なものになっております。これなどは確かに、彫工の水際立った手際が、線条をあれまでに活かして柔げたものであろうという判断が下されます。 次に色彩で....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
あった。絵画的ということは、彫刻や建築やを一層視覚的快楽に奉仕させるようになる。線条は繊細に、色彩は美麗になる。絵画には仏像画ばかりのところへ風景画が成立する。....