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線状
「線状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
線状の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河明り」より 著者:岡本かの子
い厚ぼったいゴムの匂いがする。白紫色に華やぎ始めた朝の光線が当って、閃く樹皮は螺
線状の溝に傷けられ、溝の終りの口は小壺を銜えて樹液を落している。揃って育児院の子....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
て、凹凸のあるアルミニウム粉の上にだけ溜ります。そして、そこに出来上った氷柱が、
線状なりに長さを増すとともに、その下端が感光膜の巻軸を押して、徐々に伸ばして行く....
「自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
丸皿形のボルタメーターで、皿の内面に沈着する銀がやはりこの「シャボテン式」の放射
線状の縞を成すは周知のことで、この場合は、濃度差による対流渦の結果であることは疑....
「映画雑感(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
呼吸のおもしろさであると思う。たとえば拍手している多数の手がスクリーンの上に対角
線状に並んで映る。それ自身としてはくだらないものである。これが插入の呼吸で実に不....
「記録狂時代」より 著者:寺田寅彦
優勝者であるか、これは問題にもならない。 レコードは上述のごとく、いわば一つの
線状尺度の比較できめるだけのものである。それで、もしも、物や人の価値をきめる属性....
「火星探険」より 著者:海野十三
いない。 が、それは運河ではなさそうだ。まだはっきりはしないが、何だか森林が直
線状に続いているように見える。 火星の陸地は、褐色であった。やはり土があると見....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
いだへ円く巻いて渡した銅の針金・房付帽・長袖下衣・薄物・布頭巾・冠物附外衣・頬を
線状に焼いた装飾・二の腕の桃の刺青。 狭い東洋の門戸――PHARAOHの国。 ....
「伯林の落葉」より 著者:岡本かの子
らしい形だけ写った。それが凝結した彼の脳裡の認識にまで届かなかった。男の子は細い
線状にくずれ落ちる落葉を短いステッキで縦横に截り乍ら歩いて居た。しゃっ、しゃっ、....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
だという。これを作るには、油煙を電炉の中で摂氏三千度に熱したものに或る糊を混じて
線状とし、これを四百度に熱して糊を炭化させるのだそうである。(明治四十一年三月七....
「想像と装飾の美」より 著者:岸田劉生
たものが、装飾美術になる。古代の器具や、野蛮人や農夫の器具に何ら自然物にたよらぬ
線状で(波状輪状等)美くしい装飾のあるのは即ちその一例で、その他建築の屋根の曲線....
「奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
ぶり、別に長さ数尺に及ぶ細き割竹に、櫛歯形に切り目を入れた紙を巻き、その数条を放
線状に束ねて背に負っている。そしてその負物を、土地ではササラと呼んでいるのである....
「審判」より 著者:カフカフランツ
にしっくりとはまりながら赤みを帯びた陰影ができあがり、それが画面の縁に向って放射
線状に消えてゆくのを、ながめていた。この陰影の戯れは次第に、飾りか高い名誉のしる....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
一里半程の高原地にある村落で、しかして西の雪峰から東の方の谷間へかけてごく緩い斜
線状になって居りますが、その斜
線状に沿うて西の雪峰から流れ来る川があります。これ....
「蛾」より 著者:室生犀星
しかも巧緻に描きあげられてあった。それから魚のつらなりは、ほそい、あるかないかの
線状からなり立って、ぴりぴり顫えているようだった。櫛にしては珍らしい絵で、その上....
「指導者としての寺田先生」より 著者:中谷宇吉郎
究実験として、この問題を指導されたことがあったそうである。その時にはまた、短い直
線状の火花も精細な写真観測をすると、点
線状または裂片状《れつべんじょう》の構造を....