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緞帳
「緞帳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
緞帳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放浪」より 著者:織田作之助
ので、何かあわてて切符を買った。まだ出し物が始っていなかったから、拍子抜けがし、
緞帳を穴の明くほど見つめていた。客の数も増え、いよいよ始った。ラムネをのみ、フラ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
と、パッと電気が消える。 ※|これは白い |白いは肌 と、舞台の歌声とともに
緞帳があがるが、だんだん、その白いというのが肢だけでなくなるというのが、「恋鳩」....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
は一体どんな数学であるか。 そのときベルが、喧しく鳴った。ジャズに囃されて重い
緞帳が上っていった。いよいよ第四の「ダンス・エ・シャンソン」の幕が開いたのだった....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ッタリ舞台に倒れて虫の息となってしまった。間髪を入れず、舞台監督の機転で、大きな
緞帳がスルスルと下りた。それがジュリアの最後の舞台だった。 青竜王の西一郎は、....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
っているのを見て、たいへん奇異の感にうたれたが、近づいてみると、古ぼけた蝦茶色の
緞帳に金文字で「銀平曲馬団」と銘がうってあったのには、夢かとばかりに驚いた。銀平....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と三人の感覚的限界を示していたからであった。そこで法水は、この北方式悲劇に次幕の
緞帳を上げた。
「ところで田郷さん、昨夜の七時前後と云えば、ちょうど傭人達の食事....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
なくなったことを、なるべく急には言うまいと思った。そのうちに、何かの拍子で、恰も
緞帳が切って落されたように、一ぺんに自分の過去が思い出されるかもしれないと、そこ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
る――
お銀様は、慢心和尚という坊主を快からず思っている。あの時の施行供養を、
緞帳芝居《どんちょうしばい》も及ばない愚劇だと嘲っている。同時にその記念として残....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いるところは、由緒《ゆいしょ》ある劇道の名家のなすべきところではなく、成上りの、
緞帳役者《どんちょうやくしゃ》の振舞である――拙者のむかし見た海老蔵は、こんな薄....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
!」 生温い、だらしのない、歯切れの悪い上に、これはまた何というキザたっぷりの
緞帳臭《どんちょうくさ》い返事だ! 三十五 ともかくも、宇治....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ついて駈け出しました。 ほどなく、鎮守の社へいって見ると、歌舞伎の柱を押立てて
緞帳《どんちょう》をつり、まわりへ蓆《むしろ》と葭簾《よしず》を張りめぐらしてあ....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
仮りに作られた舞台花道には、百目蝋燭が掛け連らねられ、桜や紅葉の造花から引き幕|
緞帳に至るまで新規に作られたということであるから、費用のほども思いやられる。正面....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
ットが、下手に退場してしまうと、「ハムレットの寵妃」第三幕第四場が終るのである。
緞帳の余映は、薄っすらと淡紅ばみ、列柱を上の蛇腹から、撫で下ろすように染めて行く....
「ジャズ狂時代」より 著者:小野佐世男
めいている。アア世は正にジャズ狂時代である。 開幕のベルが鳴りひびいて、静かに
緞帳が上げられるや、待ってましたと客席は嵐のような拍手、舞台一ぱい絢爛と飾られた....
「放浪」より 著者:織田作之助
で、何か周章てゝ切符を買った。未だ出し物が始まっていなかったから、拍子抜けがし、
緞帳を穴の明くほど見つめていた。客の数も増え、いよ/\始まった。ラムネをのみ、フ....