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「締める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

締めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
っていた。十五の時に、袴《はかま》をひもで締《し》める代わりに尾錠《びじょう》で締めるくふうをして、一時女学生界の流行を風靡《ふうび》したのも彼女である。その紅....
或る女」より 著者:有島武郎
部屋《へや》にはいった時には、葉子は病気を忘れ果てたもののように、がたぴしと戸を締める音にも目ざめずに安らけく寝入っていた。 四八 その翌朝手術台にのぼろ....
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
涼しいなア」 「ウン今夜は少し涼しい。これでも蚊帳なしという訳にはいかんよ。戸を締めると出るからな」 細君は帰って終う。岡村が蚊帳を釣ってくれる。予は自ら蒲団....
生きている腸」より 著者:海野十三
○○刑務病院の小さな鉄門に、一人の大学生の身体がどしんとぶつかった。 「やに早く締めるじゃないか」 と、一言文句をいって鉄門を押した。 鉄門は、わけなく開い....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
のであったから……。 発信者は誰 誰も彼も憂欝に閉ざされていた。 真綿が首を締めるように、日一日と深刻さが加わって来る。 気の早いものは、二十億の地球人類....
親子」より 著者:有島武郎
」と聞きかえした時に父のほうから思わず乗り出した気配があったが、すぐとそれを引き締めるだけの用意は欠いていなかった。 「それはこちらとしても都合のいいことではあ....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
、三枚ずつ一度に押しあける音がする。正直な満蔵は姉にどなられて、いつものように帯締めるまもなく半裸で雨戸を繰るのであろう。 「おっかさんお早うございます。思いの....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
の闇をすかして、銀幕を張ったような大雨が沛然と降り下りました。硝子戸をバタバタと締める音がやかましく聴えます。その騒ぎの中に時計は九時を五分過ぎ、十分過ぎ、もう....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
又殺されたッ、女か男か」 「奥様風の二十四五になる婦人です」 「上り電車の窓は皆締めるよう、エビス駅長へ警告しろッ」 「ハッ、でもこの暑さでは……」 「しっかり....
地中魔」より 著者:海野十三
「こいつがこいつが」と老人らしくもないがグリグリ眼の大辻|小父さんは、三吉の頸を締めるような恰好をした。「しかし大事件を頼んでいったよ。芝浦の大東京倉庫の社長さ....
断層顔」より 著者:海野十三
に注意した。この怪人を谷間シズカ夫人に会わせたとき、怪人はかっとなって夫人の頸を締めるようなことはないであろうか。もしそんなときには、帆村は事件依頼人に対してど....
火星兵団」より 著者:海野十三
の息の根をとめるには、こうしてぐっとやれば、わけなしだ」 と、佐々は柔道の手で締めるまねをした。 怪人丸木と火星の生物との検挙命令を発しおわった大江山捜査課....
怪塔王」より 著者:海野十三
ふるって下からはねのけようとします。 そうはさせないぞと、兵曹長は怪塔王の首を締めるつもりで、右腕をすばやく相手ののどにまわしましたが、その時怪塔王にがぶりと....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
に合致していることをやったんだが、ただ惜しいことに、後になってから「心の駒を引き締めることが出来なかった」 「女、女……」と彼は想った。 「……和尚(陽器)は動....
絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
塾にいて耳を澄ましていますとカランコロンと足駄の音がします。引き擦るでもなし踏み締めるでもなし、カランコロンと石だたみの上で鳴る足駄の音で、先生の歩き方には一種....