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締る
「締る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
締るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
動写真の戻りにもある。日々谷公園の散歩中にもある。それら淫猥の実行は他の方法で取
締るのが当然だ。帝都の真中で密売淫や強姦を十分に取
締る事の出来ぬ警察力や、待合の....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
言葉も出ないので、紀代子は、 「教護聯盟に言いますよ」 近頃校外の中等学生を取
締るために大阪府庁内に設けられた怖い機関を持ち出して、悪趣味だった。 「言いなさ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。それが八丁堀同心の耳にもはいって、更に町奉行所へもきこえて、奇怪の風説を取り
締るようにという注意もあったが、その風説は尾鰭をそえて、それからそれへとますます....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
わめた顔面の諸線は、容易に求められない儀容と云うのほかはなかった。それが時折引き
締ると、そこから、この老婦人の、動じない鉄のような意志が現われて、隠遁的な静かな....
「十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
のう語ってみい」 「なるほどよいお思いつきで厶ります。いかさま怪談ならば、気が引
締るどころか、身のうちも寒くなるに相違厶りませぬ。なら、手前が一つ――」 漸く....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
ことにも、もう弁えがないように見えた。杜の頸を巻いている彼女の腕がいきなりグッと
締るかと思うと、最前から彼の耳朶に押しあてられていた熱い唇が横に移動して彼の頬の....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
うと、それが春であろうと夏であろうにかかわらず、初秋の冷気を心の底に感じて心が引
締るのを覚える。勿論その辺から温気そのものの如き大阪弁が姿を消して行くだけでも、....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
猛烈に不平を鳴らした。アンダスンは私の乗っていたボートを指揮していたが、乗員を取
締るどころか、一番ひどくぶつぶつ言った。 「ふん、こんなことは永えこっちゃねえん....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
るという性質のものだ。政府はさきごろ軽犯罪法なるものをつくって、こういうことを取
締る量見であるが、密室でやってることなら、人前でやっても仕方がなかろう。密室の生....
「耳無芳一の話」より 著者:小泉八雲
琶の調子を合わせると、女の声が――その女を芳一は老女すなわち女のする用向きを取り
締る女中頭だと判じた――芳一に向ってこう言いかけた―― 『ただ今、琵琶に合わせて....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
きがあるようだ。飲んだくれの自業自得も仕方がないが、山賊の商法は酔っ払い以上に取
締るべきではあるまいかね。 日本の盛り場には山賊が多すぎるよ。愚連隊のアンチャ....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
所では、何処からかかるのか電話のベルがひッきりなしに鳴り続け、滝口立山の両坑を取
締る地上事務所から到着した救援隊は、逃げ出ようとする坑夫達と、広場の前で揉合って....
「長吏名称考」より 著者:喜田貞吉
て述べた通りである。そしてその中にもエタは早く定職を得て村役人となり、非人等を取
締る傍ら、村内の警固に任じ、犯罪人追捕及び処刑、行路病者の保護、行倒人の始末、穢....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
を見て、太閤さんは市長に尋ねた。 「アレは、何ですか? 」 「アレは示威運動を取
締る巡査です」 「フウム! 」太閤さんはびっくりしている。 「こんなことにびっく....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
師が、いわゆる七道の者を進退したと同様で、いわゆる長吏法師なるものが、非人を取り
締るは普通のことであったのだから、必ずしも弾左衛門のみの特権とは限った訳ではない....